チンギス・カンーーモンゴル草原の凱歌(三)王者への路【千古英雄伝】
タイチウト氏の首長はテムジン兄弟とその母ホエルンを追い出し、真冬の厳しい自然環境の中に置き去りにして死なせようとしました。しかし、気の強いホエルンは野生の果物と野菜を掘って食べてでも、子どもたちを育てようと決心したのです。貧しいけれど、テムジン兄弟らは母親の大きな翼の下で、ゆっくりと成長していくことができました。
テムジンが生まれながらにして血のような赤い石を握りしめていることを思い出したタイチウト氏の首長は、テムジンがいずれ復讐しに戻ってくるのではないかと心配し、後々の心配を取り除くために追っ手を送りました。
密林まで逃亡したテムジンは9日間ほど森の奥に隠れ、その間、食べ物が見つからなかったため、数少ない果物だけで空腹をしのぎました。これ以上、森の奥にいたら餓死するかもしれないので、テムジンは逃亡をやめ、刀を握りしめ、死ぬ覚悟で森を出ました。案の定、森を出た瞬間、待ち伏せしていたタイチウト氏族の兵士たちに捕まえられました。
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