東南アジア諸国連合(ASEAN)は4日に発表した声明で、国際情勢や地域情勢が一段と不安定になれば「主要国間の誤算や深刻な対立、あからさまな紛争、予測不可能な結果」を引き起こす可能性があるとの見方を示した。写真はASEAN旗。2021年10月、マレーシアのクアラルンプールで撮影(2022年 ロイター/Lim Huey Teng)

ASEAN、台湾巡るリスク警告 「対話支援する用意」

[プノンペン 4日 ロイター] – 東南アジア諸国連合(ASEAN)は4日、台湾海峡を巡る緊張がもたらす情勢不安定化が「主要国間の誤算や深刻な対立、あからさまな紛争、予測不可能な結果」を引き起こす可能性があるとの見方を示した。

議長国であるカンボジアは、台湾を巡る緊張を緩和するよう呼びかけた。これを受けてASEANは外相声明を発表した。

プノンペンで開かれているASEAN会合には、中国や米国など域外の諸国も参加。ペロシ米下院議長が訪台し、猛反発する中国が軍事演習などで対抗する中、台湾情勢に焦点が当たることになった。

ASEANは声明で「全ての当事国間の平和的な対話を促進すべく、建設的な役割を果たす用意がある」と表明。最大限の自制と、挑発行為の抑制を求めた。

一方、ブリンケン米国務長官はインドのジャイシャンカル外相との会談後にコメントを発表し「これらの非常に重要なASEAN会合に向かう中」親密なパートナーと意見を交換することができたと述べた。

「自由で開かれたインド太平洋というビジョンを共有している」とも強調した。ブリンケン氏はカンボジアで中国の王毅外相と会談する予定はない。

関連記事
[東京 23日 ロイター] – 米インド太平洋軍のアキリーノ司令官は23日、中国経済が「失敗」しつ […]
笹川平和財団は台湾有事を想定した机上演習を実施し、その報告書を3月末に公表した。報告書によると、もし米中が台湾をめぐり軍事衝突した場合、日米台すべてに甚大な被害が及ぶことが明らかになった。
台湾国防部は3日、中国軍機30機と海軍の艦船9隻が2日朝から3日朝にかけて、台湾周辺の空海域で確認されたと発表した。一部の軍用機は台湾海峡の中間線を越え、台湾の防空識別圏(ADIZ)に侵入した。
ロシアによるウクライナ戦争が続く一方、中国共産党による台湾有事のリスクが高まっている。世界最大の軍事力を備える米国は、力の配分という難題に直面する。専門家の2人は「米国はウクライナより台湾を優先すべき」を論題にした安全保障政策をめぐる議論を通じて、米国の課題をあぶり出した。
台湾国家安全局の蔡明彥・局長は11日、中国が平均して7─10日おきに台湾付近で「共同戦闘準備哨戒」を行っていると指摘、中国軍が台湾付近での演習を「常態化」しようとしていると述べた。