松野博一官房長官は5日の閣議後会見で、中国が台湾周辺で行っている軍事行動は、日本の安全保障と国民の安全に関わる重大な問題であり、引き続き訓練の即刻中止を求めていくと述べた。資料写真、2021年10月撮影(2022年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

中国の軍事訓練、引き続き即刻中止求める 台湾海峡問題で日米緊密に連携=官房長官

[東京 5日 ロイター] – 松野博一官房長官は5日の閣議後会見で、中国が台湾周辺で行っている軍事行動は、日本の安全保障と国民の安全に関わる重大な問題であり、引き続き訓練の即刻中止を求めていくと述べた。台湾海峡の平和と安定を維持していくため、引き続き日米で緊密に連携をしていく考えも示した。

松野官房長官は、ミサイル戦力の急速な増強を含めた一連の中国の軍事動向は、日本を含む地域と国際社会の安全保障上の強い懸念となっており、「引き続き重大な関心をもって注視していく」と語った。

松野官房長官は、林芳正外相の東南アジア諸国連合(ASEAN)関連外相会議出席に合わせて日中外相会談を実施する方向で最終調整に入っていたが、昨日、中国側から行わないことにしたいと連絡があったことを明らかにした。その上で「このような中国側の対応は遺憾だ」と述べ、「情勢が緊迫しているこのような時こそ、しっかりと意思疎通することが重要であり、わが国は中国側との対話については常にオープンだ」と語った。

中国の軍事演習は、ペロシ米下院議長の台湾訪問への抗議として行われている。岸田文雄首相は5日のペロシ氏との朝食会で、台湾海峡の平和と安定の維持に向け、引き続き日米で緊密に連携していくことをペロシ氏と確認し合った。

日本政府は4日夜、中国が同日午後に9発の弾道ミサイルを発射し、うち5発が日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下したものと推定していると発表した。中国の弾道ミサイルがEEZ内に落下したのは初めて。外交ルートを通じて中国に抗議した。

(杉山健太郎 編集:内田慎一)

関連記事
中国共産党の統治に反感を抱く中国人が続々と東京に集っている。識者らは、辛亥革命時に日本人が孫文らを支援した歴史を想起し、「義を見てせざるは勇なきなり」の精神で中国人と付き合うべきだと指摘した。
亜細亜大学の范雲濤教授(61歳)=中国籍=が昨年2月に中国へ一時帰国した後、行方不明になっている。政府に対してもっと積極的な対応を求める声が高まってる。松原仁氏は24日の衆院外務委員会で、上川陽子外相に対し、范雲濤教授の失踪について外務省の対応を問いただした。上川外相は、3度質問したにもかかわらず、ノーコメントで答えることを繰り返し、中国に対し口をつぐむ、具体的な対応は公表していなかった。
中華民国の次期総統、頼清徳氏は、4月30日台湾を訪問した自由民主党の鈴木貴子青年局長一行との会談した。総統府によると、頼氏は、5月20日に総統に就任した後も、「各方面での協力関係をさらに強化することを期待している」と述べのに対し、鈴木貴子衆院議員は日台関係は今後、「必ずさらに強固になるだろう」と応じた。
自民党派閥での政治資金パーティーを巡る裏金事件をを受けて、政治資金規正法改正の議論が盛り上がっている。松原仁・元国家公安委員長(無所属)は24日の衆院外務委員会で、上川陽子外相に対し、所属していた自民党の派閥「宏池会」(岸田派)について、中国企業などによるパーティー券購入があったことを問いただした。
参議院総務委員会で25日、浜田聡議員(NHKから国民を守る党)は選挙妨害行為について質問した。過去に安倍元首相の銃撃事件や岸田首相への襲撃未遂があったことから、街頭演説の安全性について「危険と隣り合わせ」と指摘。ネット宣伝や屋内講演へのシフトの必要性を訴えた。いっぽう、松本総務相は暴力を理由に控えることは避けたいと応じた。