自民党の圧勝 対日戦略で中共に誤算

2026/02/10
更新: 2026/02/10

自民党は衆議院選挙で圧倒的勝利を収め、戦後の単一政党として最多議席を獲得した。単独過半数を大きく上回る結果となり、専門家からは、地政学的環境の変化や国内世論の動向が重なった結果との見方が出ている。

第51回衆議院選挙は2月8日、降雪の中で投開票が行われ、高市早苗首相率いる自民党が前例のない大勝を収めた。

自民党は単独で316議席を獲得。日本維新の会を含めると、与党勢力は全465議席中352議席を占めた。これは1955年の自民党結党以来最多で、憲法改正の発議に必要な3分の2(310議席)を上回った。

選挙結果を受け、中国外務省は9日、日本の「極右勢力が情勢を誤り独断専行すれば、日本国民の抵抗と国際社会の反発を招く」と主張し、「台湾有事」に関する発言の撤回を求めた。

台湾日本研究院の李世暉理事長は、今回の選挙の背景の一つとして、高市首相の「台湾有事」発言と中国側の強い反発を挙げる。

李氏は「発言後、中国が強い対抗措置を示したことで、日本では外部からのリスク認識が高まり、安定した政治指導力を求める意識が強まった可能性がある」と指摘。「自民党が期待に合致したことが大勝につながった」と分析した。

高市首相は昨年11月7日の国会答弁で、台湾有事が日本の「存立危機事態」となり得ると述べ、防衛力強化の必要性を訴えていた。中国側は強く反発したが、今回の選挙結果はこうした安全保障議論への一定の支持を示した形となった。

李氏はまた、中国が日本に対して持つ経済的な影響力が相対的に低下している可能性にも言及する。

「日本は過去15年でリスク分散や一部の経済的デカップリングを進め、中国との経済関係は以前ほど密接ではなくなった。レアアース供給や観光制限が示唆されても、日本の株価への影響は限定的だった」と指摘した。

これまで中国は、日中の経済依存関係を交渉材料として政治的影響力を行使してきたが、今回の選挙ではその効果が限定的だったとの見方も出ている。李氏は「経済圧力は必ずしも日本の世論を動かさなかった可能性がある」と述べた。

3分の2を超える議席確保の意味については、防衛政策の議論が進む可能性を指摘している。これまで政府は防衛力強化の方針を示しながらも、憲法第9条などの枠組みの下で議論を進めてきた。

台湾のシンクタンク「国防安全研究院」の沈明室研究員は、「今回の結果により、安全保障政策の見直し議論が進む可能性がある」と指摘。国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画といった安保三文書の改定や、自衛隊の運用の柔軟化、地域の安全保障協力の強化が検討される可能性があるとした。

今回の選挙結果は、日本政治だけでなく国際情勢にも影響を及ぼす可能性がある。日米同盟の強化やインド太平洋地域の安全保障環境の変化が注目されている。

沈氏は「中国の軍事的拡張が続く中、日本は防衛投資を進める必要がある。日米協力の強化は地域の軍事バランスに影響を与える可能性がある」と分析した。

日本の防衛政策や日米同盟の動向により、インド太平洋地域の勢力均衡は今後も変化が続くとみられる。日中関係も、経済中心から安全保障を含むより広い分野で議論が進む可能性がある。

新唐人