座りっぱなしは健康を害する 座るのを減らし、立っていることを増やすには

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座ることが健康に悪いというのはよく知られた事実ですが、朝9時から夕方5時まで働いている人の多くは、毎日何時間も座っていることが普通です。ではどうすれば長時間座り続けることもなく、仕事にも支障が無いように出来るのでしょうか。

BBCの科学番組の司会者である医学博士のマイケル・モズレー(Michael Mosley)氏は、自身のポッドキャスト「Just One Thing」でこのテーマを取り上げています。

座りっぱなしがなぜ健康に悪いのか

モズレー氏はまず、座りっぱなしの行動は健康に非常に悪いが、それはほとんどの人がどうしても持っている「悪い習慣」であると言います。例えばイギリスでは、多くの人が1日平均10時間以上座っているそうです。このような座りっぱなしの行動は、心臓病や2型糖尿病のリスク上昇など、さまざまな健康リスクにつながる可能性があります。

2017年の研究で、1日10時間以上座りっぱなしの女性では、テロメア(telomere)が短くなっていることが判明しました。テロメアは、真核細胞の直鎖状染色体の末端にあるDNA-タンパク質複合体の小さなセグメントで、特殊な「キャップ」構造を持っています。テロメアは老化を定義する最も優れたバイオマーカーであり、テロメアが短いほど老化は深刻だそうです。

2017年のある研究によると、毎日10時間、もしくはそれ以上座り続けている女性は、テロメアが非常に短いことが明らかになりました。(Shutterstock)

仕事で座っている時間が長くても、仕事以外で健康的な生活を送っていれば、大きな問題はないと考えている人もいるかもしれません。モズレー氏は、そうではないと指摘します。

1日に40分程度の適度な運動や激しい運動をしない限り、座りっぱなしの生活によるダメージは相殺できないことが、新しい研究によって裏付けられたと言います。また、長時間座り続けることは、運動の効果を減少させると言います。

英国シュルーズベリー大学センター、応用運動科学教授ジョン・バックリー氏によると、人々は50年前と比べて、座っている時間がずっと長くなっているそうです。例えば、多くの人は睡眠時間以外の70〜80%の時間を座って過ごしています。

バックリー教授は、座っていると代謝が悪くなると説明しています。座っていると、骨や血行、代謝系に至るまで、体のあらゆる部位が刺激を奪われ、休息状態になります。

なぜ、立っているだけで健康にいいのか

モズレー博士は、「座るのを減らし、立つのを増やす」という単純で簡単なことをするだけで、健康増進に役立つと述べています。心拍数を上げ、代謝を助け、骨に効き、精神衛生を向上させることができます。

さらに、血糖値の低下は、座っているときよりも立っているときの方がはるかに速いことがわかりました。

立っているときの血液中の血糖値の減少速度は、座っているときに比べて非常に早い。(Shutterstock)
 

さらにバックリー氏は、血糖値のコントロールに立つことが有効であることを示す強い証拠があると言いました。

お客様からの電話を受けるサラリーマンに、1日普段通りに座ってもらい、食事管理と15分ごとの血糖値測定を行うという実験を行ったのです。翌日、今度は立ってもらうことを除いて、同じ実験を繰り返してもらいました。

昼食後の4時間半のオフィスタイムの、少なくとも2時間分の血糖値を読み取ったところ、血糖値は上昇したものの、有意な上昇ではなく、職場で座っているときよりもずっと早く下がり、午後もずっと低い値を維持していることが分かりました。

どうすれば、座ることを減らし、
立つことを増やせるのか

バックリー教授は、例えば電話に出るときは立ち上がる、携帯電話を使っているときは歩きながら話すなど、立ち上がって体を動かすことを意識する必要があると言います。

1時間に2〜3回、1回2〜3分立ち上がることができれば、じっとしている習慣がなくなると言います。

(翻訳編集:金水静)