建国記念日にあたる双十節で演説する蔡英文総統(Photo by SAM YEH/AFP via Getty Images)

中国共産党の軍事行動、台湾との平和統一の主張と矛盾

中国共産党は、中国人民解放軍の航空機による台湾とその周辺地域での軍事演習と侵入がここ数か月で歴史的に増加しているにもかかわらず、「台湾との平和的統一」のために努力すると主張している。

AP通信が報じたところによると、中国国務院台湾事務弁公室の馬暁光報道官は2022年9月に記者団に対し、「我々は最大限の誠意と最大限の努力で平和的な統一の見通しを目指して努力するつもりであることを改めて表明する」と述べた。

こうした発言は、米国のバイデン大統領が「一つの中国」という米国の長年の政策を維持することを改めて強調した上で、台湾は独立について独自の判断を下し、前例のない膠着状態が発生した場合には米国軍が台湾を防衛すると述べたわずか数日後のことだった。

▶ 続きを読む
関連記事
米上院は「台湾保証実施法案」を可決し、国務省へ米台間の交流制限撤廃の検討を要請。米台関係の深化を鮮明にした
イギリス防相は2025年7月、台湾有事の際にイギリスが同盟国とともに戦う準備があると表明。イギリス空母も合同演習へ参加し連携を強化する姿勢を示した。
アメリカは台湾防衛を最優先とし、中国の武力行使を強く警告。軍事・経済両面で抑止力を強化し、台湾海峡の緊張が続いている。
中共軍で台湾問題を管轄する「東部戦区」は1日、台湾周辺で陸海空軍とロケット軍による合同軍事演習を同日から開始すると発表したことについて、台湾国防部は、中国共産党政権について「国際社会最大のトラブルメーカーだ」と非難した。
27日、台湾有事などの緊急事態を想定し、沖縄県の先島諸島から住民約12万人を避難させる計画を初めて公表した。