米FRBは利上げを決定した。写真は会見に臨むパウエル議長 (Photo by MANDEL NGAN/AFP via Getty Images)

米FRB、4会合連続0.75%の大幅利上げ 経済軟着陸への道「狭くなっている」

米連邦準備制度理事会FRB)は2日の連邦公開市場委員会(FOMC)で0.75%の利上げを全会一致で決定した。9月に続き、4会合連続となる。声明文では、12月以降の会合での利上げペース減速の可能性を示唆した。

利上げ幅は市場の予想通りとなった。政策金利にあたるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジは3.75〜4.0%となり、高止まりするインフレを抑え込む姿勢を改めて示した。FF金利は08年以来の高水準だ。

FOMC後の声明文では、「インフレ抑制のための継続的な金利目標引き上げは適切」であるとしつつ、数度にわたる急激な利上げが時間差を置いて経済に影響を与える可能性に初めて言及した。

「今後の目標レンジの利上げペースを決定する際、金融政策の累積的な引き締めや、金融政策が経済活動とインフレに与える遅効性、そして経済・金融情勢を考慮に入れる」とし、利上げペースを緩める可能性を示唆した。

パウエル議長はFOMC後の記者会見で、利上げペース縮小について「その時期は近づいており、早ければ次回、ないしそのさらに次の会合となる可能性はある。決定事項はまだない」と述べた。今後の金利見通しについては、9月のFOMCで示された4.6%よりもターミナルレート(利上げの最終到達点)が高くなる可能性を示唆した。

FRBの急速な金融引き締めを受けて、米国経済が後退するとの懸念が高まっている。パウエル氏は2日の会見で、経済のソフトランディング(軟着陸)への道は「狭くなっている」とし、インフレ状況は「ますます困難なもの」になっていると述べた。

利上げ幅縮小の示唆を受け、円相場は一時1ドルあたり147円付近から146円手前まで変動した。

次回のFOMC政策会合は12月13〜14日に開催される。

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