「健康習慣」が肥満のもとだった!? 減量を成功させるために知っておくべきこと(1)

「毎日たくさん運動しているのに、なぜ太ってしまうのだろう」

「野菜もサラダもたくさん食べて、おやつもナッツ類だけなのに、どうして痩せないの」

もし一つでも当てはまったら要注意!あなたの「健康習慣」が逆にあなたを太らせているかもしれません。

注意すべき「健康習慣」1:毎日たくさん運動する

筋肉をつけ、脂肪を減らすために、多くの人がハードなトレーニングを行い、さらに毎日高強度インターバルトレーニング(HIIT)を行っています。その結果、体重が落ちないだけではなく、さらに疲労が溜まっています。

肥満と内分泌代謝の専門家である蔡明劼氏によると、一生懸命運動しているのに痩せない理由は主に2つあるといいます。

1つ目は、運動は沢山するけど、食事はコントロールしていないこと

運動をした後、ご褒美として食事をすると、消費したカロリーが戻ってしまったり、食べ過ぎてしまったりするそうです。

2010年に行われた興味深い研究によると、人は運動中に消費するエネルギー量を過大評価する傾向があることがわかりました。この研究では、参加者に消費カロリーを推定してもらったところ、実際の消費量の3〜4倍であることが判明しました。さらに、運動後に消費カロリーを補うために食事を自ら摂ってもらうと、運動時の消費カロリーの2〜3倍のカロリーを摂っていたのです。

2つ目は、代謝に影響を与える高強度の運動です

現代人の多くは睡眠不足であり、運動をたくさんすれば体に大きな負担がかかります。ですから、まずは十分な睡眠をとり、体の調子がよくなってから適度な運動をするとよいでしょう。

過度な強度の運動は、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を誘発する可能性があります。体内のコルチゾールレベルが上昇すると、疲労、睡眠障害、精神の不安定、免疫力低下、お腹に脂肪がつきやすくなる、レプチンの反応低下、グレリンの増加などが起こります。レプチンは満腹感を促し、グレリンは食欲を増進させます。

昨年の小さな研究で、高強度運動(HIIT)のやりすぎは、体に過度の負担をかけ、代謝を抑制することが明らかになりました。科学雑誌「細胞代謝」(Cell Metabolism)に掲載されたこの研究では、週90分のHIITは有効だが、週152分以上行うと代謝に影響を与え、体内で酸化ストレスが生じることが判明しました。

そのため、蔡明劼氏は無理をせず、自分に合ったレベルで運動することが大切で、「痩せるための過度な運動は意味がない」と強調しました。また、睡眠時間が6時間未満で運動するのも体によくはないため、寝不足の時は無理をしないのが一番だといいます。

過労の状態で運動をすると、体への負担が大きくなります。(Shutterstock)

注意すべき「健康習慣」2: 野菜やサラダをたくさん食べる

ダイエットしている人もそうでない人も、野菜やサラダを多く食べるのは良いことですが、中には痩せないどころか、太ってしまう人もいるようです。

それは、一見、健康的に見えるサラダですが、2つの大きな落とし穴があるからです。

1、食材やトッピングの割合

本来は野菜が多いはずですが、中には、トッピングを多めにする人がいます。ナッツやドライフルーツ、チーズ、アボカドなど、カロリーが高くなる食材なので入れる量には注意が必要です。その他に、シーザーサラダには、トーストしたクルトンや揚げたクルトンを加えることもあります。

2、サラダドレッシング

ガーデンドレッシング、シーザードレッシングなどは油脂が主成分で、マヨネーズを加えるとカロリーが爆発的に高くなることがあります。

健康的なドレッシングとしては、ヴィネグレットソース(フランス料理などに用いられる)、日本の和風ドレッシング、ヨーグルトドレッシングなどがあります。

毎食野菜をたくさん食べる人や、ベジタリアンの方には、たんぱく質やでんぷんが足りていない人がいます。短期的には痩せますが、時間が経つとまた太る、あるいはもっと太ってしまう傾向があります。これは、筋肉量が減少しているためです。

タンパク質系食品のメリットは、満腹感を高めるだけでなく、筋肉量の維持・増加を助けることです。

また、デンプンは分解されるとブドウ糖になり、ブドウ糖は体のエネルギー源となります。

管理栄養士の陳小薇氏によると、でんぷんを摂取しないと体内の水分や体重が減り、自身の炭水化物が枯渇すると筋肉が落ちてしまうそうです。

食事の組み合わせや調理法に気をつけて野菜を多く食べれば、減量できて、リバウンドすることもないそうです。蔡明劼氏は「食事の半分を野菜に置き換えれば、必ず痩せます」と言います。この方法で、蔡明劼氏のオンライン講座に参加した生徒が減量に成功し、リバウンドも無かったそうです。

(つづく)

蘇冠米