1月13日、政府は関係閣僚会議で、東京電力福島第1原子力発電所にたまる処理水の海洋放出の時期について「春から夏ごろを見込む」と示した。写真は東京電力福島第1原発の敷地内に並ぶ処理水のタンク。2022年11月代表撮影(2023年 時事通信)

原発処理水放出「春から夏ごろ」、政府が具体的時期示す

[東京 13日 ロイター] – 政府は13日に開催した関係閣僚会議で、東京電力福島第1原子力発電所にたまる処理水の海洋放出の時期について「春から夏ごろを見込む」と示した。松野博一官房長官は閣議後会見で「政府全体で全力を挙げて安全性の確保と風評対策の徹底に取り組んでいく」と述べた。

21年4月に政府が決めた処理水の処分に関する基本方針では、「今後2年程度後」に海洋放出を開始することをめどに具体的な放出設備の設置などの準備を進めるとしていた。

放出のための設備工事の完了や原子力規制委員会の検査、処理水放出前に実施する方向の国際原子力機関(IAEA)の包括的な報告書の公表などを踏まえて時期を算出。これまでに、安全性の確保や風評対策を実施し、全国で処分の必要性や安全性について理解を広げる取り組みが進展したとして、放出時期を具体的に示した。

22年12月に成立した22年度第2次補正予算では、処理水の風評被害の対策として、全国の漁業者支援のための基金の設置に500億円を計上した。これに伴い、この日の閣議では、処理水の処分に関する行動計画も改定し、支援施策の合同説明会の実施や支援対象漁業者団体の公募実施など今後の取り組みを盛り込んだ。

西村康稔経済産業相は閣議後会見で、「被災地水産物の消費拡大、水産物の流通維持に係る環境整備などに万全を期していきたい」と述べた。

既に政府は21年度補正予算に300億円の基金を設置しており、漁業者への支援をさらに拡充する中で、処理水放出に関して関係者の合意をどのように得ていくかが課題となる。

(浦中美穂)

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