( Yevhen Shkolenko /PIXTA)

北朝鮮の偵察衛星計画は国際安全保障を脅かす、と専門家が警告

北朝鮮の衛星計画は、政権の大陸間弾道ミサイル開発の隠れ蓑に過ぎない、と専門家は警告する。 特に、韓国と米国だけでなく、世界の安全保障にとって重要な宇宙基盤のインフラを脅かすことで、挑発と攻撃の新たな道を作り出していることが懸念される。

北朝鮮は数十年にわたって宇宙ロケットを開発してきたが、「最近までロケットに搭載する人工衛星の開発は…行われていなかった」と、国営の韓国国防研究院安全保障戦略センターのパク・ヨンハン(Park Yong-han)準研究員はFORUMに語っている。

ロイター通信によると、北朝鮮国営メディアは2022年12月、2023年4月までの完成を目指す偵察衛星開発のための「重要な最終段階」の試験の実施したと発表した。 北朝鮮政府は衛星システムをテストするために複数のロケットを打ち上げたと同通信は報じている。 (写真:2022年12月に北朝鮮が行った偵察衛星の打ち上げ試験に関する報道を見る韓国・ソウルの通勤者)

宇宙機を打ち上げる前に、各国は通常、国際機関を通じて計画を共有し、「こうした近隣国間の協議を通じて安全を保証しながら」すべての関連リスクを検討する、とパク氏は述べ、さらに 「北朝鮮は奇襲的にロケットを発射しており…それだけで周辺国にとって脅威となる」と語った。

ランド研究所の韓国専門家ブルース・ベネット(Bruce Bennet)博士がFORUMに語ったところによると、打ち上げによる破片は人や建造物などを脅かす可能性があるという。

同氏は「宇宙機を打ち上げる際、不要になった段は宇宙機が上昇するにつれて落下する」とし、 「そして、これらの段は、どこかの海に落ちることになる。 もし北朝鮮政府がその発表を怠り、海上の船舶に伝えていなければ、使用済みのロケットの段が誰かの上に落ちてくる可能性もある。 また、ロケットが若干コースを外れた場合、中国やフィリピンに向かったりするリスクもある」と述べた。

さらに、北朝鮮の発射は国連の制裁に違反している。 パク氏は「国連制裁下では、北は宇宙衛星を含むロケット開発ができない」と述べた。

北朝鮮はロケット発射に関して他国に通知したり、調整したことはない、とベネット氏は付け加えている。

さらにパク氏は、「他の国々は国際社会の規範とルールに従っている」とした上で、 「北朝鮮はそのような規範を無視した活動をしている。 だからこそ、国際社会全体に対する脅威となる。

打ち上げを誤ると、他の衛星に連鎖的な衝突効果をもたらす可能性があり、これはケスラー・シンドロームと呼ばれ、宇宙での災害となり得るため非常に危険だ」と述べた。

インド太平洋地域の同盟国と提携国は、北朝鮮の宇宙開発計画によってもたらされる脅威を監視し続けている。これには、日本と韓国(いずれも米国の条約同盟国)が衛星データなどの機密情報を直接共有できるようにする軍事情報包括保護協定を通じての監視も含まれる。

パク氏は「将来、彼ら(北朝鮮)は敢えて他の衛星を脅かすようなものを宇宙に送り出す可能性がある」、さらに、 「そのために宇宙監視に協力する必要がある」と述べた。

フェリックス・キムは韓国ソウル発信のFORUM寄稿者。

 

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