(写真/ロイター通信)

中国による「完全封鎖」への準備態勢に重点を置く台湾の国防費

ロイター

2023年の台湾の国防費は、F-16戦闘機の部品や武器の補充など、中国による「完全封鎖」に備えた武器や装備の準備に重点を置くと、台湾の軍隊が報告した。

台湾を自国の領土とみなす中国は、2022年8月、島周辺で軍事演習を行い、戦争時に軍が台湾を封鎖するシミュレーションで台北上空にミサイルを発射し、飛行禁止区域と航行禁止区域を宣言した。

台湾国防省は議会予算の承認を求める報告書の中で、2022年に戦略燃料の備蓄と修理能力の見直しを開始したと述べたが、詳細は明らかにしていない。

「台湾海峡の完全封鎖を想定」して、2023年の支出には、大砲やロケットの在庫補充、「戦闘継続性を強化するための」F-16の部品などが含まれるという。

同省は、脅威評価の更新時、中国軍が戦略的に重要な海上水路の管理および外国軍へのアクセス拒否を視野に入れた統合部隊作戦を実施していると述べた。

報告書は、「最近、共産党軍の演習・訓練モデルは、単一軍種から陸・海・空・ロケット部隊の共同作戦に調整されている」とし、 「実戦的アプローチを採用し、訓練から戦闘準備へと移行している」と述べている。

中国の国務院台湾事務弁公室は、コメントの要求には即座に応じなかった。

中国政府は、台湾が中国の一部であったことはかつてないにもかかわらず、台湾を支配下に置くための武力行使を放棄していない。

中国共産党の習近平(Xi Jinping)総書記は、2023年3月に、中国は軍備を近代化して「鉄の長城」にしなければならないと述べた。

台湾国防部は、中国が島周辺の「共同戦闘態勢」の強度を組織的に高めており、2022年に中国軍機が台湾の防空識別圏に前年の倍以上の1,700回以上侵入するなど、「相当な脅威」になっていると述べた。 (写真:2022年1月に訓練を行う台湾のF-16戦闘機)

中国政府は、渤海、黄海、台湾海峡周辺の航行禁止区域を「正常化」しており、日本から太平洋諸島に広がる「第二列島線」への戦闘能力を磨き、太平洋と東シナ海への重要なアクセスポイントであるバシー海峡、宮古海峡、対馬海峡を「封鎖・支配」したいと考えていると、国防部は指摘している。

中国はさらに、台湾の対応を試すために、無人機や気球、漁船を台湾に近づけるなど、「グレーゾーン」戦術を使い続けているという。

また国防部は、スティンガー対空ミサイルやM142高機動砲ロケットシステム用ランチャーなどの米国製主要兵器について、2023年予算で優先的に資金を提供するとした。

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