3月29日、米政府高官らは、台湾の蔡英文総統(写真)が今週と来週、中米歴訪の際に米国に立ち寄ることに中国が過剰反応する理由はないとの政府の立場を示した。写真は台湾の桃園で撮影(2023年 ロイター/Ann Wang)

台湾総統の米国立ち寄り、中国が過剰反応する理由ない=米高官

[ワシントン 29日 ロイター] – 米政府高官らは、台湾蔡英文総統が今週と来週、中米歴訪の際に米国に立ち寄ることに中国が過剰反応する理由はないとの政府の立場を示した。米国の「一つの中国」政策とも整合的だと訴えた。

中国側に対話チャンネルを開き続けるよう求めていることも明らかにした。

蔡総統は中米のグアテマラとベリーズを訪問する際に経由地のニューヨークとロサンゼルスに立ち寄る予定。29日にニューヨークに到着する予定で、台湾には4月7日に戻る。

総統が米国に立ち寄るのは2019年以来で、16年の総統就任後では7回目となる。中米歴訪後、ロサンゼルスでマッカーシー米下院議長と会談する見通し。下院議長が米国内で台湾総統と会談するのは初めてで、中国の反発を買っている。

ある高官は、蔡総統が過去に米国に立ち寄った際も議員らとの会談などさまざまな活動を行ったと指摘。「このため、中国政府が今回の立ち寄りを口実に台湾に対して攻撃的、威圧的な活動を行う理由は全くない」と強調した。

中国政府は台湾への軍事的、経済的、外交的圧力を強めているが、米国経由の移動を促進するという長年の慣行を変えるよう米国に圧力がかかることはないと断じた。

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