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愛を失った心が免疫を崩壊させる――驚きの医学的影響

重度の精神的損傷は、体の免疫システムを即座に崩壊させます。特に、愛を失った女性や夫に裏切られた女性は、過度の悲しみから数時間で免疫細胞の約80%を失います。重症化すると、恐ろしい免疫疾患「エリテマトーデス(全身のさまざまな場所や臓器に炎症を引き起こす病気)」になることもあります。被害は人々の想像をはるかに超えており、ネガティブな感情を抑えて過ごすことが、一番の対処法です。

失恋症候群

別れた後の落ち込みや悲しみは、免疫力を急激に低下させ、風邪が引きやすくなります。アメリカの免疫学者の研究結果では、この症状は、過度の悲しみと大量のホルモンの刺激が、原因であると結論付けられています。しかし、人々はそれを深刻に受け止めず、どれほどダメージを与えるかを認識していません。

昔から「失恋は心が痛む、心を砕く」と言われていますが、決して大げさではありません。一見、目に見えないようにみえる感情も、実はエネルギーの物質存在で、瞬時に経絡を塞ぎ、外来のウイルスや細菌よりも恐ろしいのです。古代の中国医学は、悪い感情は直接内臓を傷つけ、気血の流れを乱し、逆流させ、病気の重大原因であると結論付けられていました。

これは、外から侵入してきたウイルスが内臓に入るには、体の防御システムの層を突破する必要があるのに対し、感情によるダメージは外から内へ向かうことがなく、直接内臓に生じるからです。

失恋という感情的なダメージを心が受けると、たちまち心臓に異常をきたし、突然死することもあり、現代医学ではブロークンハート症候群という病名がついています。愛の喪失が、本当に心を傷つけてしまうことは明らかです。失恋は本当に心が壊れるのです。私たちの心は、大きく傷つくと、気や血の流れが逆流し、免疫システムが直接損傷を受けています。
 

なぜ「エリテマトーデス」は女性を対象とするのか

この病気は、英語で(systemic lupus erythematosus)といい、SLEと略して呼ばれます。systemicとは、全身のという意味で、この病気が全身のさまざまな場所、臓器などに、色々な症状を引き起こすことを指しています。

lupus erythematosusとは、皮膚に出来る発疹が、狼に噛まれた痕のような赤い紅斑であることから名付けられました。発熱、 全身倦怠感 などの 症状と、関節、皮膚、そして腎臓、肺、中枢神経などに、さまざまな症状が一度にあるいは経過とともに起こってきます。その原因は、今のところわかっていませんが、免疫の異常が病気に重要な原因を与えていると考えられています。

多くの研究が世界的に行われていますが、残念ながら今のところその原因は分かっていません。自分自身の体を、免疫系が攻撃してしまう病気であるということは明らかです。

本来なら、免疫は、細菌やウイルスなどから自分自身を守ってくれる大切な役割をしているのですが、この病気にかかると、免疫が自分の体を攻撃するようになり、全身にさまざまな炎症を引き起こします。患者さん自身には細菌やウイルスに対する免疫はあります。ただ、免疫に対する治療で免疫系全体が抑制されてしまうと、感染しやすくなります。

現代医学では、原因不明の難病とされています。中医学の立場では、その原因は女性の過度の悲しみ、心の激しい刺激、気と血の逆行によるものとされていますが、このことを人々はまだ認識していません。

この病気のもう一つの非常に顕著な特徴は、女性に多い病気だということです。罹患者の90%が女性、特に出産適齢期の女性で、月経が止まってしまうこともあります。免疫系の異常と出産適齢期の女性の月経停止という2つの要因が、この病気の出産適齢期の女性の心の傷に、直接関係しているとは、想像もしなかったことでしょう。

アメリカの有名な中医学の医師である倪海霞(げいかいか)氏は、初期の公開講座の中で、実際のケースを挙げています。倪医師は、8年前から「エリテマトーデス」を患い、手足の関節の痛みで歩くこともままならない52歳のアメリカ人女性に出会いました。彼は彼女に、病気が発症した年に何か大きな人生の転機があったかどうかを尋ねました。

彼女は、倪海霞医師に話します。「44歳の時に発病しましたが、その年は夫が不倫し、裏切られた年でした。極度のうつ状態に陥りました。数日間自宅にこもり、一人で過ごし、電話にも出ず、誰とも話さず、極度の悲しみの中にいて、恨み、落ち込み、その状態から抜け出すことがなかなかできませんでした」と。歩くこともままならず、痛みに苦しむ彼女は、倪海霞医師が、米国で多くの末期患者の最後の希望と呼ばれていることを聞き、助けを求めたといいます。

倪医師は、彼女に「8年間、月経が止まっているのですか」と尋ねました。確かに、病気になった時から8年間も月経が止まっていました。倪医師はすぐに、これは過度の悲しみの結果だ、心の経絡が直接傷つき、月経血が子宮に下ることができず、代わりに心臓に逆流するようになったと説明したのです。

心臓は血管を司っており、色は赤く一度病気になると、皮膚に色素沈着し、赤い斑点が顔に現れる事があります。女性の月経は、中医学では乳からの変化であり、女性が妊娠すると止まります。母乳を供給するため、赤ちゃんが生まれた後も、通常は月経はありません。しばらく授乳しているうちに、月経は自然と再開します。

この自然現象は、女性の月経は赤ちゃんのための栄養の準備であり、妊娠しない場合は毎月自動的に乳房から下に降りて子宮に向かい血液となって排出されます。乳は肺から栄養を運ぶとされており、そのため母乳は肺と同じ白色で、乳房に貯まることになります。ですから 月経が始まる1週間ほど前に乳房の腫れや痛みを感じるのは、乳が溜まった結果なのです。

しかし、心臓が傷ついて乳が下に移動できなくなると、乳は心臓に逆流し、心臓を通過して赤くなり、顔まで逆行して赤い斑点になることがあります。気血が滞っていると、免疫システムにも問題が生じます。

つまり、月経が正常な状態に戻らなければ、この病気は治らないのです。 そして、気血を整え、逆流の方向づけは、漢方薬でなければできません。この女性が治療を受け、1週間ほど漢方薬を服用した後、驚くべき現象が現れました。女性の乳は 8年間滞っていたようで、母乳が流れ出てきて、授乳中の母親のように服を濡らしました。

医師は、もし出産適齢期であれば、また月経を再開できるでしょう。しかし、すでに閉経しているので全身のさまざまな血管に滞留している逆行性の血液を乳に変えるしかないと判断しました。奇跡的に乳が排出された後、彼女の関節痛は自然に緩和され、すぐに歩けるようになり回復しました。現代医学では信じられないことでした。

医師は、「関節痛は逆行する経血が気血を塞いでいるためで、滞った経血の蓄積が取り除かれていないのだから、痛みがあるのは当然です。しかし、経絡が正常に戻れば痛みは自然に治まる」と言いました。

これは、精神的なダメージがそのまま内臓に伝わり、気血がものすごい勢いで逆流してしまうことの事例です。経絡や血管が正常に機能しなくなれば、気血は滞り、あらゆる病気が体をむしばむことになり、とても恐ろしいことになります。

 恨みや悲しみといったネガティブな感情を持たなければ、経絡や血液を詰まらせることもなく、ネガティブなエネルギーが発生せず、免疫力も自然と高くなります。

どんなに栄養補給や食事に気を配っていても、ネガティブな感情を持つとその努力は水の泡です。一夜にして免疫力を失い、ウイルスが侵入してくることになります。では、 どうすれば病気に対抗できるのでしょうか。

古代人は「許す」「善」「任せる」を説いたのです。人を許す方法を知っていれば、ネガティブな感情の支配から解放され、内臓や免疫力を傷つけることもありません。

白玉煕
文化面担当の編集者。中国の古典的な医療や漢方に深い見識があり、『黄帝内経』や『傷寒論』、『神農本草経』などの古文書を研究している。人体は小さな宇宙であるという中国古来の理論に基づき、漢方の奥深さをわかりやすく伝えている。