主要7カ国首脳会議(G7広島サミット)は20日、経済安全保障をテーマに議論し、強靭なサプライチェーン(供給網)の構築や「経済的威圧」への対処を進めていくとする首脳声明を発出した。代表撮影(2023年 ロイター/Jonathan Ernst)

G7首脳、供給網構築や「経済的威圧」への対処で連携強化

[広島市 20日 ロイター] – 主要7カ国首脳会議(G7広島サミット)は20日、経済安全保障をテーマに議論し、強靭なサプライチェーン(供給網)の構築や「経済的威圧」への対処を進めていくとする首脳声明を発出した。

首脳声明は、新型コロナウイルスの世界的大流行とロシアによるウクライナ侵略が世界の国々のサプライチェーンの脆弱性をむき出しにした、と指摘。重要物資の供給を「人質」にとるような行為に断固反対する姿勢を示した。

サプライチェーンの構築には透明性、多様性、安全性、持続可能性、信頼性が不可欠な原則であることを確認。それらの認識を共有する国々で重要鉱物や半導体・蓄電池などの物資について強靱なサプライチェーンを強化していくとした。

経済的威圧を巡っては、経済の脆弱性、依存関係を悪用するなど威圧の事案が増加している、と非難。全ての国に対してその使用を控えるよう求めた。

ただ、特定の国を名指しすることは避けた。調整の過程では、中国の「経済的威圧」に対する懸念を共同声明に盛り込む方向で検討されていた。

ロシアも制裁に対して、エネルギー供給を一部遮断するといった対抗措置に出ている。

G7として対応を強化していくため「経済的威圧に対する調整プラットフォーム」を立ち上げるとともに、G7以外のパートナーとの協力をさらに促進していくと表明した。

(杉山健太郎)

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