立憲民主党代表の泉健太衆議院議員。2020年9月撮影 (Photo by David Mareuil - Pool/Getty Images)

中国プルトニウム増産「隣国として由々しき事態」 立民・泉健太代表

中国が軍事転用可能なプルトニウムを増産しているにも関わらず国際原子力機関(IAEA)に保有量を報告していないとして、立憲民主党泉健太代表は24日、「隣国としては由々しき事態」であると指摘した。シンクタンクの研究によると、中国は核兵器の配備を進めており、核弾頭の数は2030年までに1000発に達する可能性がある。

泉氏は同日の衆院予算委員会で、中国・甘粛省で建設中の再処理施設や、福建省の高速増殖炉の存在を取り上げた。民生用(発電)とされるが、秘密裏に軍事転用も可能であると指摘。首相に対し、日中首脳会談等の場で、IAEAに報告するよう中国に促すべきだと述べた。

米国防総省が発表した報告書によれば、中国の核弾頭数は現在200発台前半であるが、2030年までに1000発に達する可能性があると予測されている。笹川平和財団の小林祐喜氏は財団公式ホームページで「米国との戦力均衡を目指し、中国が核軍拡を本格化させている」との分析を示している。

首相は泉氏の質疑に対し、G7広島ビジョンでは民生用プルトニウムの管理透明性の維持していくことで一致したと強調、中国には報告等を行うよう働きかけていきたいと答弁した。

核保有国が動かなければ…

泉氏はまた、核軍縮の道筋が見えていないとし、核兵器禁止条約(NPT)に対する政府の態度を質した。また、核兵器禁止条約への日本のオブザーバー参加を求めた。

岸田氏は、厳しい安全保障環境のなかで、国民の命と暮らしを守るためには「日米同盟による拡大抑止」といった現実的な対応をしなければならないと強調。その上で「未来に向けて核兵器のない世界を目指すという理想を掲げる」べきだと述べた。

「核兵器保有国が変わらなければ現実は変わらない。私が外務大臣を4年8か月中やるなかで何度となく痛感した厳しい現実だ」と力説。「彼らをどう動かしていくのかが、唯一の戦争被爆国としての大きな責任」と述べた。

昨年8月、ニューヨークの国連本部で開かれた「核軍縮の進め方などを議論する核拡散防止条約(NPT)再検討会議」に出席した岸田氏は行動計画「広島アクション・プラン」を提言。1. 核兵器不使用の継続、2. 透明性の向上、3. 核兵器数の減少傾向維持、4. 核兵器不拡散と原子力の平和的利用、5. 各国指導者らの被爆地訪問の促進の5項目を柱とした。

G7広島サミットでは新たに「核軍縮に関するG7首脳広島ビジョン」を発出。核軍縮に焦点を当てた初のG7首脳文書として、「全ての者にとっての安全が損なわれない形での核兵器のない世界の実現に向けたコミットメント」であると強調した。

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