中国で「歩きスマホ」行為に罰金を科せるようにする法案が各地で導入されている。罰金は最大で200元。イメージ画像。2020年3月17日、中国の上海でスマホをチェックする女性 (HECTOR RETAMAL/AFP via Getty Images)

中国各地で施行される「歩きスマホに罰金」の法規 地方政府の財政難が背景か

歩きながら手元のスマートフォンなどを操作する「歩きスマホ」は、画面を注視することで注意力が散漫となり、階段や駅ホームからの転落のほか、他の歩行者や車との接触事故などを引き起こす恐れがある。

危険と分かっていても、ついやってしまうのが、この「歩きスマホ」。こうした「歩きスマホ」を公共の場所で行うことを防止する条例は、日本をはじめ台湾や米国など各国でも制定されている。

さて、お隣の中国では最近、この「歩きスマホ」に対する罰金規定が相次ぎ導入されている。

中国メディアによると、浙江省の人民代表大会常務委員会は5月26日、同省寧波市で「道路を横断する際にスマホ操作する人に罰金を科す法案」を可決した。同省の寧波市以外の複数の都市でも、すでに同様の規制が導入されている。

河南省でも昨年末に同様の法規が導入された。これにより、道路横断中に携帯電話を操作する歩行者に対して、最高で200元(約4千円)の罰金を科すことができる。

この新法の導入について、中国のネット上では見解が二分化している。

確かに「自分と他人を守るために必要なものだ」として支持する声もある。いっぽうで「何でもかんでも管理しようとする政府」と反発したり、あるいは「罰金で稼ぐ、金儲け主義だ」と、ひっ迫する地方財政を罰金で補おうとする傾向を批判する声もある。

日本で「歩きスマホ」防止に関する条例がある地域は、令和5年3月23日時点で確認できるものとしては、神奈川県大和市、東京都足立区・荒川区・墨田区、大阪府池田市、愛知県江南市など。いずれも、罰金などの罰則規定はない。 

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