岸田文雄首相は13日に首相官邸で記者会見した。(Photo by Rodrigo Reyes Marin / POOL / AFP) (Photo by RODRIGO REYES MARIN/POOL/AFP via Getty Images)

「2030年代が少子化反転のラストチャンス」 岸田首相、こども政策で会見

岸田文雄首相は13日午後、首相官邸で記者会見を行い、衆院解散の判断と政府の子ども・子育て政策について説明した。少子化問題を「国家の危機」と位置づけ、不退転の決意で取り組むと強調した。解散総選挙については「情勢見極める」と述べるにとどめた。

首相は2022年の出生数が77万人ほどであったことに触れ、「急速に進む少子化、人口減少に歯止めをかけなければ日本の経済社会は縮小し、地域社会、年金、医療、介護などの社会保障制度を維持することは難しくなる」と厳しい表情で述べた。若年人口の急減が予測される2030年代までが少子化の反転のラストチャンスであると強調した。

その上で首相は、「こども未来戦略方針」に基づいて子ども・子育て政策に取り組むと表明。資金調達については、国民の実質的な追加負担を求めず、歳出改革とともに新たな支援金の枠組みを構築するとし、その間の財源不足については「こども特例公債」を活用すると明言した。

児童手当の所得制限を撤廃し、第3子以降は3万円に倍増することも表明。また、支給期間を3年間延長して高校生までとし、24年10月から始めることを明らかにした。さらに、大学の授業料減免の対象を年収600万円までの多子世帯などに拡大し、出産育児一時金を50万円に大幅に引き上げるとも語った。

住宅支援策については、子育て世帯が優先的に入居できる住宅を今後10年間で計30万戸用意するとし、住宅ローン「フラット35」の金利を子どもの数に応じて優遇すると述べた。

衆院解散の判断について問われると、「私たちの取り組みが国民の理解と信任を得られるように、全力を尽くすことが先ずは求められる。そしてその上で、適切なタイミングで解散・総選挙を行うべきだ」と語り、言明は避けた。いっぽう、選挙の焦点が少子化対策と経済再生の両立であると強調し、自身のリーダーシップと政策を国民の評価に委ねるとした。

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