寝る前に全身の筋肉がほぐれていると、心が落ち着いて眠りにつきやすくなります。(kapinon / PIXTA)

睡眠不足が認知症や肥満を招く 睡眠障害を解決する5つのヒント(3)

(続き)

不眠症の改善には漢方処方が効果的

漢方薬は服用時に副作用がなく、「睡眠中何度も目が覚める」タイプの睡眠障害を調整するのに非常に有利です。したがって、西洋医学の治療を受けている重度の睡眠障害の患者は、医師と相談の上、漢方薬を試してみることをお勧めします。漢方薬治療を1~2週間行った後、西洋医学の治療薬の量を徐々に減らしていくと、より安全で、症状のリバウンドを防ぐことができます。

不眠症の最大の原因は、主に精神的な問題であると私は考えています。心理的な要因としては、注意が散漫になり落ち着きがない、興奮しやすい、仕事が不安である、うつ病、過度のストレスなどがあり、時間が経つにつれて体全体に影響を及ぼします。

神経質で不安感が強く、睡眠不足になりがちな人に対して、漢方医はしばしば加味逍遥散(かみしょうようさん)、つまり逍遙散に牡丹皮と山梔子(さんしし)を加えた対症療法を行います。

なかなか寝付けない患者には、逍遙散に六味地黃丸(ろくみじおうがん)を少量加えると、寝つきがよくなります。

動悸や胸のつかえがある人は、滋陰降火湯に天王補心丸(てんのうほしんがん)を加えると、非常によい治療効果があります。

睡眠を改善する食事療法

1.甘麦とナツメのスープ

古代中国には、睡眠を助ける非常に簡単な食事療法があり、それが甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう)です。

作り方は、浮小麦(コムギの種子、またはその粉)30~60グラム、ナツメ4~5個、生甘草9グラムをとり、お椀4杯分の水を加えて約30分間煮出してから飲みます。情緒が安定し、落ち着いてぐっすり眠れることでしょう。

また、夜間頻尿を避けるため、就寝の1時間半ほど前に飲むとよいでしょう。

2.粟(アワ)とナツメのお粥

粟(アワ)には脾臓と胃を丈夫にする作用があり、心を落ち着かせる効果もあります。

アワ100グラム、ナツメの実15グラムを粉末状にし、蜂蜜30グラムを加え、お粥にして飲むと、睡眠を改善することができます。

睡眠障害を改善する5つの方法

薬物療法と食事療法の外に、実は生活の中で睡眠の質を改善する方法もあります。

1.日光浴

日光浴は自律神経を整え、メラトニンの分泌を調整し、夜の睡眠を改善します。朝は30分以上日光浴をし、夕方にはランニングなど1時間程度の運動をするとよいでしょう。

外が曇っていても、雨が降っていても、太陽の光は体内のビタミンDの合成を助け、骨の健康を保つために必要な紫外線B(UVB)が含まれており、人体にも有効なので、屋外に出ることは効果があります。

2.足湯

もうひとつの方法は、寝る前に足湯をすることです。人間は体内の内臓の温度に足の温度が近いほど、眠りにつきやすくなります。通常であれば、内臓の温度は手足の温度よりも高くなければなりません。39~40℃のお湯に足を浸すと内臓の温度が手足の温度に近くなり、眠りやすくなります。

3.熱い風呂に入る

熱い風呂に入ることも睡眠を促します。熱いお風呂に入ると、内臓の温度が少し上がりますが、しばらくするといつもより低い温度まで下がります。このとき、内臓の温度と手足の温度が近くなり、眠りにつきやすくなります。

また、入浴後は副交感神経が興奮し、リラックスした状態になるため、眠りにつきやすくなります。

ただし、注意しなければならないのは、お風呂のお湯の温度は高すぎない39~40℃程度にしましょう。42℃を超えると交感神経が刺激され興奮状態になり、眠りにくくなります。

就寝の1時間前に15分程度入浴することをお勧めします。入浴後に少量の水を飲むと体が潤い、リラックスして眠りやすくなります。

4.就寝前に簡単なストレッチをする

寝る前に簡単なストレッチをして、筋肉をほぐすとよいでしょう。

寝る前に全身の筋肉がほぐれていると、心が落ち着いて眠りにつきやすくなります。反対に、寝る前に筋肉の緊張が強いと、なかなか寝付けなくなります。

5.頸椎セルフリハビリテーション法

私の臨床経験によれば、長期にわたる睡眠障害のある人は、頸椎が非常に硬くなっているため、頭に気が上昇し、眠りにつくことが困難になっています。頸椎から調整するのが最良の治療法であり、マッサージなどでほぐすと睡眠障害が改善されます。

上記の薬草の中には、聞き馴染みのないものもあるかもしれませんが、多くは健康食品店やアジア食料品店で手に入ります。ただし、体調、体格は人それぞれなので、具体的な治療計画は専門の医師にご相談ください。

(完)

 

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