イラクは20日、スウェーデンの首都ストックホルムにあるイラク大使館前で集会を開催する許可が出され、イスラム教の聖典コーランを燃やすとみられるデモが再び行われる可能性があることに抗議し、駐イラクのスウェーデン大使に国外退去を求めた。写真は7月20日、イラクの首都バグダッドのスウェーデン大使館前でイスラム教の聖典コーランをかざす抗議活動参加者 (2023年 ロイター/Ahmed Saad)

イラク、スウェーデンに聖典焼却再発なら断交と警告 大使に国外退去要請

[バグダッド/ストックホルム 20日 ロイター] – イラクは20日、スウェーデンの首都ストックホルムにあるイラク大使館前で集会を開催する許可が出され、イスラム教の聖典コーランを燃やすとみられるデモが再び行われる可能性があることに抗議し、駐イラクのスウェーデン大使に国外退去を求めた。

イラク政府の声明によると、政府はスウェーデン駐在の臨時代理大使を召還。また、イラク国営通信はスウェーデンの通信機器大手エリクソンのイラク国内での就労許可が停止されたと報じた。

スウェーデンの通信社TTは19日、スウェーデン警察が20日にストックホルムのイラク大使館前で集会を開催する許可を出したと報道。申請者はコーランとイラク国旗を燃やす意思を示していたことで、イラクではイスラム教シーア派指導者サドル師の支持者がメッセージアプリのテレグラムなどでデモを呼び掛け、20日早朝、首都バグダッドのスウェーデン大使館に数百人の抗議者らが突入し火をつける事態が発生した。

ストックホルムでの集会は開始されたものの、コーランが燃やされることなく、集会は終了した。

イラク首相府は声明で、バグダッドのスウェーデン大使館に火がつけられたことを強く非難。こうした行為は治安違反だとし、外交使節団を保護すると表明した。同時に「スウェーデン政府に対し、スウェーデン国内でコーランが焼却される事件が再び発生すれば、外交関係を断絶する必要に迫られると通告した」とした。

スウェーデンのビルストロム外相は、大使館へ放火は「全く容認できない」と非難。「スウェーデン政府はイラク高官に対し、遺憾の意を表明した」とした。

スウェーデンでこれまでに起きたコーラン焼却にはトルコのエルドアン大統領も反発。エルドアン大統領は今月、スウェーデンの北大西洋条約機構(NATO)加盟に向けた批准手続きを進めることに同意したが、今回の事態を受けスウェーデンのNATO加盟に向けた道筋が複雑化する可能性がある。

関連記事
15日 ロイター] - 中欧スロバキアのフィツォ首相(59)が15日、中部ハンドロバで銃撃され、重傷を負った。一時は深刻な容体とされたが、政府高官によると、搬送先の病院で治療を受けて生命の危機は脱した。
ワシントン - ジョー・バイデン大統領は5月7日、ユダヤ人に対する憎悪が「あまりにも多くの人々の心に深く根を下ろしている」と述べ、「米国と世界中で猛威を振るう反ユダヤ主義の潮流」に対抗するため、全米国民に本政権を支持するよう呼び掛けた。
地球温暖化による損害賠償を民間企業に義務付けるバーモント州の法案が、ビジネス環境を悪化させ、すでに資金繰りに窮している州民のエネルギー価格を上昇させるのではないかという懸念を呼んでいる。
「信念を貫き、モラルを守れ」、米最高裁判事がアメリカの現状に警鐘を鳴らした。外の世界は厳しい。おそらく、ここしばらくの間で最も厳しい状況でしょう。しかし、だからこそ、あなたの貢献が重要なのだとアリート判事は述べた。
5月13日、フィリピン政府はビデオを公開し、中共が疑念を持たれながらも、南シナ海におけるフィリピンの排他的経済水域内の島々や礁に土砂を投入し、埋め立て活動を行っていると批判しました。フィリピンは船を派遣し、中共の動向を監視している状況です。