台湾総統府で演説する麻生太郎自民党副総裁(台湾総統府提供)

麻生氏、台湾総統・副総統と面会 現職自民党幹部では最高位

台湾を訪問中の自民党の麻生太郎副総裁は8日午後、台湾総統府で蔡英文総統と頼清徳副総統と面会した。現職の自民党幹部としては最高位となる。麻生氏は、日台間で困った時に助け合う関係を維持し、更なる信頼関係を醸成していくことに意欲を示した。

蔡英文氏は日台間の貿易総額が歴史的な増加傾向にあるとして、日台双方でサプライチェーンの強靭性を強めるために協力していく考えを示した。さらに、日本が台湾の国際的地位を高めるために尽力してきたとして、感謝の意を表した。

麻生氏は同日午前、「ケタガラン・フォーラム」で講演を行なった。軍備拡張を続ける中国共産党を念頭に「我々にとって最も大事なことは、台湾を含むこの地域で戦争を起こさせないこと」だという認識を示し、日本、台湾、米国などに「戦う覚悟」が求められていると強調した。

頼清徳副総統と昼食を共にした麻生氏は「台湾に関する決意を聞いて、極めて安心した」と語った。台湾では来年1月に総統選を控えており、頼清徳氏は民進党候補として出馬する。

麻生氏は9日まで台湾に滞在する。7日には台北近郊の軍人墓地「国軍示範公墓」を訪れ、安倍晋三元首相とも親交があった李登輝元総統を弔った。

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