「テール」を食べると血を補うことができます。(Key West / PIXTA)

貧血にはこのスープ! 2つの食事療法で血液を補おう(1)

最近、体力がなく、疲れを感じることが多いですか?  心臓がドキドキして、手足が冷たいことはありませんか? もしそうなら、貧血の症状の可能性が高いのです。

台湾心医堂漢方医院の呉國斌院長は大紀元の番組「健康1+1」で、多くの原因不明の貧血が腸道(小腸)によるものであると発言しています。また貧血は、飲食習慣を調整して改善するか、あるいはまた、漢方の調合を経ることで、短期間のうちに改善できると言います。

 貧血は主に、3つのタイプに分けられます

体内の血液に含まれる赤血球は、全身に酸素を運ぶ役割を担っています。もし赤血球の数あるいは赤血球に含まれるヘモグロビンの数が少ないと、体が酸素不足に陥ります。呉國斌氏は、ヘモグロビン含有量が男性で13.0 g/dL以下、非妊娠中の女性で12.0 g/dLの場合、「貧血」に相当すると指摘しています。

一般的な貧血の症状は、体力がない、呼吸が浅い、めまい、心拍が速いまたは不規則、耳鳴りがする、頭痛、手足が冷たい、胸が痛い、皮膚が白いあるいは黄みがかっているなどです。他にも、筋肉の衰え、皮膚の乾燥、髪の毛に輝きがない、身体に麻痺が起こる、動きが鈍い、忘れっぽい、不眠、苛立ち、動悸、意識が朦朧とする、せん妄(急性的な意識の混乱)、昏迷なども挙げられます。

呉國斌氏は「貧血」には3つのタイプがあるといいます。:

1、外傷、消化管出血、痔、過多月経などの出血。

2、赤血球産生の減少。鉄分やビタミンB12の欠乏、地中海貧血(サラセミア)および様々な骨髄関連疾患や腫瘍など。

3、赤血球の分解増加。遺伝子異常(鎌状赤血球貧血など)、感染症(マラリアなど)、自己免疫疾患など。

貧血の原因とは? 胃腸の改善が重要

貧血はどの臓器が悪いのでしょうか? 呉國斌氏によれば、漢方医は血の生成は主に水穀(水と穀物)の精と腎の精に依存すると考えています。水穀の精とは、飲食物を胃腸が消化・吸収することにより得たものです。また、腎精とは、腎臓に蓄えられた精髄とエネルギーのことをいいます。

血液の生成は、心・肺・肝臓・腎などの内臓機能が密接に関係しています。その中でも最も重要なのは、脾胃、即ち消化器官です。腸や胃の調子が悪い人は一般的に貧血になりやすいので、貧血を改善するには、腸や胃を保護することから始めるのがよいでしょう。

呉國斌氏は例を1つ挙げています。彼の母親は原因不明の貧血に悩まされていました。月に一回の輸血を余儀なくされ、しかし、おかしなことに、骨髄検査では決まって「異常なし」なのです。彼は、母親に脾胃の健康と酸素補給のための漢方薬を配合しました。そのおかげで、症状が和らぎ、2か月に一回の輸血に改善しました。その後、腎臓を保護する作用の薬を加えたところ、母親の症状はさらに良くなり、3か月に一回の輸血でよくなったのです。

呉國斌氏の母親の回復体験は、少し予想外でした。

「ある日、姉が消化を助けるある酵素を母に食べさせると、母の胃腸の調子が良くなり、それ以降、輸血がいらなくなりました」と、述べています。

この出来事は彼の胸に深く刻まれ、胃腸が健康であれば、貧血は薬が無くても治療できることに気づいたといいます。

母親の体験はまた、日本の森下敬一医師が開発した「腸管造血理論」を思い出させました。

森下医師によれば、血液を造る源は腸にあるといいます。食物は酵素によって分解され糜粥(びじゅく:胃の中で消化されてかゆ状となったもの)となり、小腸絨毛上皮細胞は食物中の微細な物質を吸収し、一連の変化を経て赤血球を生成します。赤血球母細胞は毛細血管の壁に付着し、赤血球を放出します。呉國斌氏は、この特別な理論が、正常な骨髄を持つ貧血患者に別の治療法を考えるきっかけになると考えています。

研究結果:腸の支柱の造血作用

近年、多くの研究によって、腸と造血器官の密接な関係が明らかになりました。学術誌『血液(Blood)』に掲載された2017年の研究では、腸内微生物がダメージを受けると、造血機能に異常が現れることが明らかになりました。無菌室で飼育されたマウスと抗生物質を服用したマウスには正常な腸内微生物が存在せず、貧血や血小板増加と白血球の減少が見られました。

2019年に学術誌『細胞:幹細胞(Cell Stem Cell)』に掲載された研究では、腸には造血幹細胞や各種の前駆細胞が含まれているといいます。米コロンビア大学の研究員は、腸移植を受けたことのある21名の患者を5年間追跡調査しました。すると、彼らの腸粘膜、リンパ節、肝臓などの組織機関に長期的に腸管ドナーからの造血幹細胞と前駆細胞が存在していたことが明らかになりました。腸管ドナーからの血細胞は患者自身の血細胞と共存することができたのでした。

(つづく)

 

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