9月23日、台湾の邱国正国防部長(国防相)は、中国軍が台湾周辺で活動を活発化させていることについて「制御がきかない」展開に陥り、偶発的な衝突を引き起こす危険性が高まっているとの認識を示した。写真は北京のレストランで4月、人民解放軍の部隊が台湾周辺で軍事演習を行うニュースがスクリーンに映る様子(2023年 ロイター/Tingshu Wang)

台湾国防相、中国軍の活発化で偶発的な衝突警戒

[台北 23日 ロイター] – 台湾の邱国正国防部長(国防相)は23日、中国軍が台湾周辺で活動を活発化させていることについて「制御がきかない」展開に陥り、偶発的な衝突を引き起こす危険性が高まっているという認識を示した。

偶発的な事故がより広範な衝突を引き起こす恐れがあるか、と記者団に問われ「われわれがが非常に憂慮していることだ」と応じた。

また、中国軍の南部戦区と東部戦区の軍艦が、このところ台湾の東岸沖で一緒に活動していると指摘した。

「航空機や艦船、兵器の使用を伴う活動のリスクが増すことになるため、双方が注意を払う必要がある」と語った。

中国は、台湾周辺の訓練についてコメントしていない。

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