目を保護し、血糖値を下げるサツマイモ  知っておくべき事とは(2)

(続き)

目を保護し、血糖値を下げるサツマイモ  知っておくべき事とは(2)
 

4.カルシウム、カリウム、マグネシウム

サツマイモの葉に含まれるカルシウム、マグネシウム、カリウムは、体の機能維持に不可欠な栄養素で、骨、歯、神経や筋肉の活動、代謝及び体の浸透圧の維持に重要です。また、マグネシウムは睡眠と神経の安定に非常に役立つのです。

サツマイモの葉はデトックス(毒素排出)食の主役のひとつです (kikisorasido / PIXTA)

サツマイモとサツマイモの葉は慢性病を予防します。
黄苡菱氏の話によると、サツマイモとサツマイモの葉は慢性病予防に良い食材で、食事に加えると、良いことばかりだと言います。

1.慢性炎症の抑制

多くの慢性疾患は、体内の慢性炎症から始まります。サツマイモやサツマイモの葉には、フリーラジカル(活性酸素)やその他の汚染物質から細胞のDNAを保護し、体内の慢性炎症を抑制する抗酸化栄養素が多く含まれているのです。

2.解毒

腸壁は、長時間の毒素との接触で細胞病変を起こしますが、サツマイモとその葉には非水溶性食物繊維を多く含んでいますので、毒素を素早く体外に排出させることができます。

3.心臓血管および脳血管疾患の予防

サツマイモとその葉に含まれる豊富な食物繊維と抗酸化栄養素は、血糖値、血圧、血中脂質を調整する働きもあり、心臓や脳血管疾患のリスクを低減してくれます。
2021年に《国際分子科学雑誌》(International Journal of Molecular Sciences)に掲載された総説(レビュー)研究では、サツマイモが高血糖の治療と脂質異常症の調整に有効であると証明されたのです。

4.視力の保護

黄苡菱氏によると、最近の傾向である人の視力低下は、栄養素の不足が関係あるかもしれないと指摘し、長時間ブルーライトや強い光の環境の下にある現代人の目は、黄斑病変、目の感光細胞を損傷しやすいとのことです。

そのため、視力ケアのためには、ベータカロチン、ルテイン、ゼアキサンチンを含む食材やサツマイモの葉をたくさん食べると良いと言われています。

アントシアニンが豊富な紫さつま芋を多く食べると、目の周囲を取り巻く眼輪筋が整い、目の疲れが和らぎます。
また、血糖値のコントロールが悪いと白内障の確率が高くなりますが、サツマイモやサツマイモの葉は血糖値を安定させます。
サツマイモに含まれる豊富なフラボノイドは、微小毛細血管の弾力性を高め、目の微小血管を健康にし、視力退化を防ぎ、目の損傷予防に役立つのですね。

腎臓病患者はサツマイモを食べるとき、特に注意が必要

慢性腎臓病患者はサツマイモとサツマイモの葉を食べる量に細心の注意が必要と、黄苡菱氏は注意を喚起しています。サツマイモやサツマイモの葉にはカリウムが豊富で、慢性腎臓病患者はカリウムの代謝に問題があり、高血中カリウム症状を起こします。サツマイモの葉の水煮や、サツマイモを小さく切り茹でる事で、カリウムイオンが水中に残り、カリウムの過剰摂取を避ける事ができるそうです。

最良の食べ方

加熱したサツマイモは、フラボノイドなどのポリフェノールがたくさん出てしまいます。反対に、生のサツマイモは、その残っている栄養素が消化不良を起こす可能性があるので、勧められないのです。ご注意下さい。

サツマイモの品種により適した調理法は異なります。例えば、β-カロテンを多く含む赤肉のサツマイモは、β-カロテンを多く放出するので油で揚げるのがいいです。一方、アントシアニンは高温を嫌うので、アントシアニンを多く含む紫芋は揚げ物には向いていないのです。

サツマイモの最良の調理方法は「蒸す」ことです。その次は「焼き」です。黄苡菱氏は蒸すことで、ポリフェノールなどの水溶性の抗酸化栄養素は最大限に保持されると説明しています。

黄苡菱氏はまた、サツマイモの皮と実はとても栄養価が高く、繊維質が多いだけでなく、フラボノイドもたくさん含み、洗ったサツマイモを蒸したり、茹でたり、焼いたり(焦がさないように)して、特に皮ごと食べると、より多くのフラボノイドを摂れ、体にも良いとの事です。

(完)