2022年4月28日、ビルケナウ収容所のサイトで行われる「生存の行進」、参加者がイスラエルの国旗を掲げている。 (Photo by WOJTEK RADWANSKI/AFP via Getty Images)

憎悪を煽った宣伝が空回り 中国人がイスラエルを支持

長年に渡り、中国共産党(中共)は中国人に対し、日本や米国への憎悪を掻き立てる教育をしてきた。しかし、最近のハマスのテロ攻撃に対する中国人の反応や、日中関係の世論調査からみれば、こうしたプロパガンダは徐々に効果を失っている。

中共は国内において、SNS上で反イスラエル感情を掻き立てる情報を拡散し続けている。10月9日には、在広州イスラエル総領事館が、ハマスがイスラエルの一般市民に無差別攻撃を行ったと投稿した。当時、最も「いいね」されたコメントは「ユダヤのテロ主義とイスラエルの新ナチズムを打倒せよ」というものだった。

中国人がイスラエルに支持表明

状況の変化につれ、多くの中国人が「インターネットの規制を回避し、事実と真相を求めるようになった。イスラエルへの憎悪の風潮は急速に変わり始めている。

「イスラエルを支持する。イスラエルの市民を対象としたテロ攻撃を非難する! 彼ら(中国共産党)は私を代表していない!」

「テロリズムは人類の共通の敵。中国人として、イスラエルが受けている苦しみと痛みを感じられる」

「イスラエルが困難を乗り越えることを願っています」

など、多くのネットユーザーはイスラエルに同情と支持を表明した。

在イスラエルの中国人や留学生によると、中共は必要な支援を提供すると宣伝しているが、彼らを放置している。現地の中国人によれば、在イスラエルの中国大使館は、滞在中の中国人の状況を確認せず、有効な避難情報を提供しないだけでなく、大使館への電話すら通じない状況のようだ。自己の安全に注意するようにとのメッセージを繰り返し送信しているだけなのだ。

帰国便が取り消された留学生が中国大使館に助けを求めた。

「そんなことは、自分で解決して」

留学生に対する中国大使館の答えは、実にそっけないものだった。

上海市在住の胡星(仮名)さんは10月17日にエポックタイムズに応じ、

「WeChatのグループやウェイボウを見ればわかる。現在、理性のある人、また正常な人なら、イスラエルを支持するだろう」

と語った。

反日宣伝は効果を失っている

反日宣伝も効かなくなっているようだ。

日本の言論NPOは8~9月にかけて、日中両国の市民(それぞれ1千人以上)に対し、処理水放出について世論調査を実施。調査結果は、中国のSNS上での一方的な日本批判の風潮を覆すものだった。

51.7%の中国人が「心配していない」または「判断できない」と答え、47.6%の中国人が「非常に心配している」または「少し心配している」と答えた。46.9%の中国人は、国際原子力機関による日本処理水海洋放出の安全性に関する科学的検証は信用できると答えたのだ。

日本政府観光局のデータによると、9月に日本を訪れた中国人観光客の数は約32万5600人だった。10月の長期休暇中、日本が依然として人気海外旅行先の筆頭だった。処理水騒ぎはどこにいったのか? どうやら中共の宣伝機関の空回りだったようだ。

また、8月に中共と官製メディアが処理水排出を巡って不安を煽るなか、中国の人々は放射線測定器を求めて奔走していた。上海のある市民が自宅内でガイガーカウンター(放射線測定器)を起動させたところ、「我が家の放射線量は東京の976倍ではないか」と驚きを隠せなかったという珍事も起こったのだ。

中国人は徐々に、官製メディアの宣伝に騙されず、冷静になってきているようだ。

 

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