11月9日、米上院のボブ・ケーシー議員(民主党)とリック・スコット議員(共和党)は、プライベートエクイティ(PE)ファンド運営企業に対して中国など懸念のある国への投資規模の公開を義務付ける超党派の法案を提出した。写真はケーシー議員。フィラデルフィアで2月撮影(2023年 ロイター/Elizabeth Frantz)

PEファンドに中国向け投資の公開義務付け、米上院議員が提案

Karen Freifeld

[9日 ロイター] – 米上院のボブ・ケーシー議員(民主党)とリック・スコット議員(共和党)は9日、プライベートエクイティ(PE)ファンド運営企業に対して中国など懸念のある国への投資規模の公開を義務付ける超党派の法案を提出した。

法案はPEファンドに対し、中国やイラン、ロシア、北朝鮮に投資した資産について毎年、米証券取引委員会(SEC)に開示するよう義務付けている。SECはこの情報に基づく報告書を公表する必要がある。PEファンドは未公開証券の販売に関する特定情報の開示も義務付けられる。

ケーシー議員は「米国民は自分たちの貯蓄がどこに、どのように投資されているのかを知る権利がある」とする声明を発表した。

米国はドル資金やノウハウが中国政府の軍事力最新化のための技術的進歩に役立っているとの懸念から、対中投資への締め付けを強めようとしている。

ケーシー氏の事務所によると、米国のPEファンドは2018―22年に800億ドル余りを中国に投資し、その一部は年金プラン経由だという。

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