米下院の中国問題を扱う特別委員会は12日、2024年の立法課題として、対中経済関係を根底から変える多項目の超党派提言を公表した。写真はマイク・ギャラガー委員長(左、共和党)とラジャ・クリシュナムルティ委員(民主党)。4月19日、ワシントンで撮影(2023年 ロイター/Amanda Andrade Rhoades)

米下院中国問題特別委、24年の立法課題を提言 対抗姿勢前面に

Michael Martina

[ワシントン 12日 ロイター] – 米下院の中国問題を扱う特別委員会は12日、2024年の立法課題として、対中経済関係を根底から変える多項目の超党派提言を公表した。米国が中国の「経済的属国」になるのを防ぐためと主張した。

同委が過去1年にわたり実施した公聴会や調査に基づいており、対中投資の制限といった抜本的規制強化や、中国から米国への無関税輸出枠の引き下げといった技術的な法律改正が含まれている。

同委のマイク・ギャラガー委員長(共和党)とラジャ・クリシュナムルティ委員(民主党)などはこれらの措置を実施すれば「厳しい代償が生じ、対価を伴う」と指摘。

「米国は今、米国を経済的属国と捉える中国のビジョンを受け入れるか、米国の安全保障、価値観、繁栄のために立ち上がるかの選択を迫られている」とした。

提言には、中国系短編動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の使用禁止もしくは中国資本の撤退、商務省による中国製従来型半導体への輸入関税発動などが含まれた。

ギャラガー氏は対中投資制限の今後の手続きについて共和党が活発に議論しており、24年第1・四半期に「責任ある立法の取り組み」につながることを期待していると述べた。

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