イスラエル当局によると、パレスチナ自治区で活動する国連機関UNRWAの職員のおよそ10%がテロ組織に関与していたことがわかった。写真はガザ地区にあるUNRWA本部 (Photo by SAID KHATIB/AFP via Getty Images)

ガザの国連組織、資金拠出停止の動き拡大 職員1000人超がテロ組織に関与か=米メディア

イスラエル当局の調査によると、パレスチナ自治区で活動する国連機関の職員のおよそ10%に当たる1200人がテロ組織に関与していたことがわかった。ウォール・ストリートジャーナルなどが報じた。イスラエルの呼びかけに応じて、日本や米国をはじめとする先進国は相次いで資金拠出を停止している。

職員のテロ組織への関与が確認されたのは、ガザ地区で活動する国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)。中東最大の国連機関として、パレスチナ難民に各種支援を提供している。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)とは独立して運営され、スタッフの大多数はパレスチナ人だ。

昨年10月7日に発生したハマスによるテロ攻撃には、少なくとも12人の職員が関与していた。報道によると、ガザで働く1万2000人の職員のうちのおよそ10%、すなわち約1200人が、ハマスやイスラム過激派テロ組織とつながりを持っていたという。

国連機関の職員とテロ組織とのつながりが明るみになると、人権を重んじる欧米諸国は相次いで資金拠出の停止を表明。1月29日時点では、日本、アメリカ、カナダ、豪州、フランス、英国を含む10数か国が資金を止めている。

外務省は28日、イスラエルへのテロ攻撃にUNRWA職員が関与した疑いがあることについて「極めて憂慮している」とする報道官談話を発表。「調査が行われ、対応策が検討される当面の間、UNRWAへの追加的な資金拠出を一時停止せざるを得ない」と指摘した。

欧州委員会は、今年2月末までに同機関への資金提供を停止し、資金提供を継続するかどうかを決定する前に調査を開始すると発表した。

EU委員会のママー主席報道官は、「調査は特に、同団体のスタッフがテロ活動に関与しないよう、同団体がその活動をどのように管理しているかに焦点を当てる」と述べた。

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