正しく生きようと努力した者に光は注がれる。

世界を変えたいならまずは自分を変わる 「一杯のミルク」が「大きな違い」を生む

イギリスの有名な古い建造物であるウェストミンスター寺院にある墓に、無銘の墓石があります。この記念碑は、祖国防衛のために命を捧げた第一次世界大戦の無名の兵士たちすべてに、敬意を表して建てられたと言われています。そこには、有名な一節が墓標として刻まれています:

若くて自由で、想像力に富んでいた時、

世界を変えることを夢見ていた。

年を重ね、賢くなるにつれ、世界は変わらないことがわかった。

だから、少しスケールを小さくして国だけを変えることにした。

しかし、これも不可能に思えた。

黄昏時を迎え、私は最後の必死の試みで、身近な家族だけを変えようと決心した。

残念なことに、それも叶えられなかった。

そして今、私は死の床に横たわっている。

私は突然わかった。

まず自分自身を変えることから始めるべきだった。

それが模範となって、家族を変えることができたかもしれなかった。

彼らの変化と励ましによって、

私は国を良くすることができただろう。

ウエストミンスター寺院の無名戦士の墓  (Photo by Leon Neal/Getty Images)

この話は、人生の終わりに得るだろう悟りについて語っています。理想の大小にかかわらず、自分を変えることから始めるべきです。家族や外の世界と交流し、支え合い、励まし合うことで、誰にでも大きな変化を達成する力が生まれます!

若い頃は、世界を変えたいという大志を持っていました。年齢を重ねるにつれ、世界を変えることが容易ではないと気付きます。多くの人が後悔の念を抱いてこの世を去ります。

人生を振り返ってみると、もし私たちが自分の成功を達成しようとする心を捨て、人の美を成すという善意を持つことができたなら、世界を変える可能性は、私たちの想像をはるかに超えて大きいでしょう。自分を成功させるのではなく、自分の善い心、善良な考え、善い行いが、必ず周囲に良い影響を与えます。

この信念は実現するのでしょうか? インターネット上で広がっているこの話をご覧ください。

ハワード・ケリーという貧しい学生が、学費を稼ぐために訪問販売をしていました。ある夜、彼は家々を回っている中、一日中何も食べていなかったため、お腹がグルグルなりました。ポケットには小銭しか残っていなかった彼は、苦渋の決断をしました。次の家で何か食べ物を請うことにしたのです。

隣の家のドアをそっとノックしたところ、扉を開けたのは美しい少女でした。ケリーさんは食べ物を恵んでもらう勇気をなくし、ただ「水を一杯いただけないでしょうか?」と聞きました。

少女が大きなグラスに新鮮なミルクを入れて持ってきました。彼はそれを飲み干し、 「いくら払えばいいのか」と聞きました。

少女は「 善い行いの見返りを、求めてはいけないと母に言われました」と答えました。

ハワード・ケリーさんは感動して、彼女を見つめながら「心からあなたとお母様に感謝します」と言いました。

その後、ケリーさんは、心温まる気持ちで仕事を続けました。人々への信頼感も強まり、再び頑張る気力を取り戻しました。そして、専門的な知識を持つ医者となりました。

数年が経ち、その少女は希少疾患(患者数の少ない疾患の総称。 希少難病、稀少疾患とも記される)に苦しみ、非常に危険な状態にありました。地元の医者たちは手を尽くしましたが、どうすることもできませんでした。家族は少女が専門医の治療を受けられることを期待して、大都市にある病院に連れて行きました。

その頃、ケリーさんはその病院で評判の良い医者になっていました。彼は遠方の都市から来た女性患者の話を聞き、考え込むような表情を見せました。そして、すぐに彼女の病室へと向かいました。その女性を見て、かつて自分に大きな励ましと力を与えてくれた人だと気付きました。

その日から、ケリー医師は自分の専門知識を、惜しみなくに女性に使いました。彼の治療で、女性は死の淵から這い上がり、奇跡的に回復したのです。

女性が退院する日、請求書が主治医のもとへ届けられ、署名が求められました。ケリー医師は請求書を一読し、端に何かを書き加えました。

請求書が女性の手に渡ると、彼女は躊躇しながらも確認しました。彼女には分かっていたのです。これが生涯をかけても返せないかもしれない医療費だと。しかし、封を切った瞬間、彼女の目は請求書の端に書かれた手書きのメッセージに釘付けになりました。

一杯の新鮮なミルクで、全ての医療費が支払われました。

                    ーハワード・ケリー医師

エピローグ:

この物語では、貧しい学生だったハワード・ケリーさんが善意の励ましと善行の支えを受けて、人生の逆境を切り抜け、やがて思いやり深い医師へと成長しました。

彼のような情け深い医師は、患者の苦境、その家族、そして社会を変えることができるのです。そして、この変化を生み出した女性と彼女の家族は、「他人や社会を変えよう」という意図を持っていたわけではありません。見返りを期待することなく、ただ善行をしただけなのです。

私たちの親切な心、たったひとつの親切な考え、たったひとつの善意な行為は、周りに本当に良い影響を与えることができるのです。見返りのない人助けは、手付かずの大金を社会に預けるようなものです。その利息は社会に注がれ、連続複利が生み出され、ますます豊かになり、やがては元金よりもはるかに多くなり、愛は永遠に人類社会に続くことになります。そして、何でも知っている神は、お金を預けた人々に想像を絶する報いを与えるでしょう。

*墓碑銘原文:

When I was young and free and my imagination had no limits, I dreamed of changing the world.

As I grew older and wiser, I discovered the world would not change, so I shortened my sights somewhat and decided to change only my country. But it, too, seemed immovable.

As I grew my twilight years, in one last desperate attempt, I settled for changing only my family, those closest to me, but alas, they would have none of it.

And now, as I lie on my death bed, I suddenly realize:

If I had only changed myself first, then by example I would have changed my family. From their inspiration and encouragement, I would then have been able to better my country, and who knows, I may have even changed the world.

任采真