機密文書によれば、ロシア軍は中国による侵攻シナリオに対応するための演習を行っていた。写真は2017年9月18日、レニングラード州での軍事演習を双眼鏡で観察するロシアのプーチン大統領(中央)である。(Mikhail Klimentyev/SPUTNIK/AFP)

ロシア軍が中共からの侵攻を戦術核で阻止するシミュレーションを行っていた=ロシア軍文書

近年、中露は密接な協力を強化してきたが、漏洩したロシア軍の文書には、ロシアの国家安全保障上層部が中国に対して抱く深い疑念を明らかにしていた。

文書によると、ロシア軍は世界の大国との衝突が初期段階にある時に戦術核兵器を使用する訓練を行っており、それには中国共産党(中共)の侵攻シナリオに対応する演習が含まれている。

英国の『フィナンシャル・タイムズ』がこれらの機密文書を入手し、文書を審査し検証した専門家は、これらの機密文書には、ロシア軍が戦術核兵器を使用する閾値(しきいち)についての記述があり、それはロシアが公に認めているよりも低いと述べている。

▶ 続きを読む
関連記事
アメリカ海軍は2023年5月25日原子力航空母艦・ジョージ・ワシントンが再配備されることを発表した。6年ぶりの展開であり、当初4年で想定された炉心交換・包括修理などのオーバーホール(RCOH)を2年延長した影響で再配備が遅れた。修理の延長は、造船をめぐって米海軍が抱える問題を示唆している。
2025年8月、中露が合同演習を実施し対潜水艦作戦を強化。米軍も原子力潜水艦を展開し、三国の安全保障リスクが高まっている。
6月初旬、ウクライナによる大規模なドローン攻撃によりロシア国内の空軍基地で複数の航空機が破壊された。アメリカ軍はこれを受け、軍事基地の対ドローン防衛強化に本腰を入れる。
40年以上経った今でも活躍するF-16戦闘機は世界最高の多用途戦闘機の1つとして評価される。将来的には、ステルス機との対戦が課題となるがF-35やF-22戦闘機にはないF-16ならでは能力を持っている。
航空機の戦闘力を評価する際、速度や武装能力だけでなく、出撃生成率(SGR: Sortie Generation Rate)が重要な指標となる。SGRは航空機の運用効率を示し、高いSGRを持つ機体は、より頻繁な出撃と優れたパイロット訓練を可能にするため、総合的な戦闘力を大きく向上させる。