インドのジャイシャンカル外相 (Photo by MONEY SHARMA/AFP via Getty Images)

インド外相「世界における日本の役割拡大を支持」

インドジャイシャンカル外相は、日本との関係強化について「日本は技術大国であり、日本が世界でより大きな役割を果たすことを歓迎する」と述べた。また、隣国ロシアや中国との関係にも言及しつつ、インドは多角的な外交を進めていると語った。

ジャイシャンカル氏は12日、現地メディア主催の講演会で自説を述べた。外相によれば、日本はこれまで歴史的な理由から国際社会での役割を制限してきたが、今後はより積極的に世界に関与していくべきだと述べた。

日本とインドは、自動車産業や地下鉄などのインフラ分野で協力関係を築いている。外相は「今後は高速鉄道プロジェクトなどを通じてさらなる技術協力が期待できる」とし、両国関係のさらなる発展に期待を示した。

いっぽう中国との関係について、外相は、国境紛争の解決が緊張緩和につながるとした。「過去4年間の緊張は双方にとって良くなかった」、「公平で合理的な解決策を見出すことにまだ尽力している」と述べた。ただし、中国側が「実効支配線を尊重し、現状を変更しないこと」が必要だと強調し、譲らない姿勢を見せた。

ロシアとの関係については、外相は「地政学的に非常に重要であり、過去50〜60年にわたり非常に安定した関係を維持してきた」と強調した。また、「ロシアと中国の接近はインドの影響ではない」と述べ、「インドのロシアに対する政策は公平で客観的であり、プーチン大統領もそれを認識している」と主張した。

外相は、これらの主要国との関係構築においてバランスを取り、互いの利益を尊重することが重要だと改めて強調した。「インドは多極化し多様性のある世界を望んでおり、そのために外交の多角化を進めている」と述べた。

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