イメージ画像。香港系の宝飾品製販大手「周大福珠宝」の北京店で黄金商品を展示する店員、2024年2月5日。(JADE GAO/AFP via Getty Images)

大手「黄金店」に預けていた黄金が持ち逃げされた 被害額は約10億円=北京

「中国黄金の加盟店が、突然、空っぽになった」。そんな信じ難い話題が3月25日、中国SNSのホットリサーチ入りした。顧客がこの店に預けていた金(ゴールド)が、そっくり持ち逃げされた、というのだ。

問題の店舗は、北京市朝陽区にある「中国黄金(集団公司)」の加盟店の1つ「北京概念」店である。預けていた黄金を持ち逃げされた顧客(被害者)は数十人で、その被害額は5千万元(約10億円)を超えるという。

「中国黄金集団公司」は中国の国有企業であり、120社ある「中央企業」の1つでもある。中央企業とは、中国の国有企業のなかでも、とくに中央政府の管理監督を受ける企業を指す。

中国メディア「毎日経済新聞」23日付によると、問題の店は「顧客の黄金を保管する」サービスを営んでいる。黄金をこの店に預けると「400グラム当たり10グラムの利子がつき、それを1年間還元する」と約束されていた。そのため、多くの人がこの店に黄金を預けていたという。

現在、問題の店は閉鎖されている。突然ふりかかった「災難」を前に、多くの顧客は泣き寝入りするしかない。被害者のなかには、500万元(約1億円)以上の黄金を預けていた人もいるという。

被害者らが「中国黄金」に対して責任追及すると、当初は「問題の店は加盟店であり、直営店ではない」ことを理由に、こちらに責任はないと主張していた。

ところが、旧正月後になると「自社にも責任がある。積極的に協力する」と態度の変化を見せた。しかし「中国黄金」が実際どこまで責任を負うかについては明らかにしていない。被害者は「ただ待っているしかない」状態だという。

中国メディアによると、一部の顧客は、同店で黄金を購入する際に、店員から「(中国黄金の)加盟店であることに関しては、告げられていない」と訴えているという。

しかし、問題の店が出す黄金の「証明書類」には、確かに「中国黄金」の情報が記されていた。中国人なら誰でもその名を知っている大手国有企業「中国黄金」である。そのブランドの七光りがあったため、安心して黄金を預けていた人も少なくなかった。

2022年時点で、「中国黄金」の店舗は3642店に上る。このうち直営店が105店。残りの約3500店が加盟店となる。

政情や国内通貨が「不安定な時期」に、金(きん)は 魅力的な資産になるとされている。消費低迷が続く中国では、旧正月前後から「金(きん)買い」のゴールドブームが巻き起こっている。

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