ナッツ選びで心健康:最高の栄養価を持つナッツとは?

多くの研究が示唆しているように、ナッツは心血管疾患およびそれによる早期死亡のリスクを低減する効果があります。ナッツを食べることの利点はどれくらいあるのでしょうか? なぜそんなに良いのでしょうか?注意すべき点は何でしょうか?
 

複数の政府、ナッツ類が心血管リスクを低下させる可能性があると発表

多くの国の政府機関が、ナッツが心血管疾患のリスクを低減するという健康声明を発表しています。米国食品医薬品局(FDA)、オーストラリア食品安全局、ニュージーランド食品基準局(FSANZ)は、特にナッツが低密度リポタンパク質コレステロールを低減する効果があることを承認しています。また、欧州食品安全局(EFSA)も、くるみを摂取することで内皮依存性血管拡張を改善するという健康声明を承認しています。

さらに、ナッツは初期および二次予防において心血管リスクを低減するための有効な食品として、多くの国際的な健康機関によって認められています。カナダ心臓協会、英国心臓病予防連合会、オーストラリア心臓財団、米国心臓協会、欧州心臓病学会などが、ナッツを健康な植物性タンパク質および脂肪源として頻繁に摂取することを推奨し、低密度リポタンパク質を低減し、全体的な脂質状態を改善し、心血管疾患のリスク低減できるとしています。
 

研究によりナッツの効果が確認される

2023年2月、アメリカのハーバード大学チャン・ツェンシー公衆衛生学院などの複数の大学が、「栄養素」誌に共同で発表した研究レビューによれば、ナッツの長期摂取は特定の心血管疾患の発症と死亡リスクを低減することが示されています。例えば、冠動脈疾患の発症と死亡リスクはそれぞれ24%と27%減少し、脳卒中の死亡リスクは18%減少し、心房細動の発症リスクは15%減少しました。

そのため、専門家は心血管リスクを低減するために、1日に28グラムのナッツを摂取することを推奨しています。

また、別の研究では、ナッツを週に数回食べることで、心筋梗塞、心臓発作、または心血管疾患のリスクが30%~50%低下することが示されています。

ナッツには多くの栄養素、脂溶性の生理活性物質、食物繊維、ビタミン、ミネラル、フェノール類が含まれています。分析によると、ナッツが心血管疾患のリスクを低減するのは、ナッツに豊富に含まれる不飽和脂肪酸が関係しています。

ナッツが心血管疾患リスクを低減するのは、豊富に含まれる不飽和脂肪酸が関係している(karandaev / PIXTA)

不飽和脂肪酸は、悪玉コレステロール(低密度リポタンパク質)のレベルを下げ、善玉コレステロール(高密度リポタンパク質)のレベルを高めることができます。また、クルミに含まれるオメガ-3は、不整脈や血栓の形成を防ぐことができます。

さらに、オスロ大学による189万573人の総合分析では、ナッツが低密度リポタンパク質コレステロールのレベルを下げることが示されました。研究者のエリック・アーネセン氏は、アーモンド、ピスタチオ、くるみなどがコレステロールを下げる最良の食品であるとし、「血中コレステロールレベルに有益な影響を与える。脂肪が動脈に堆積するのを防ぐために、低コレステロールレベルを維持することが重要です。動脈粥腫性硬化は心臓発作の最大のリスク因子の1つです」と述べています。

この研究は2023年3月に「食物栄養研究」誌に掲載されました。
 

どのナッツの栄養価が高い?

まず第1に挙げられるのはアーモンドです。アーモンドはビタミンE、食物繊維、健康な脂肪(一価不飽和脂肪酸、抗酸化物)が豊富です。これらはLDLコレステロールのレベルを下げ、心臓の健康に役立ちます。

第2にはくるみが挙げられます。くるみには豊富なオメガ-3脂肪酸が含まれており、抗炎症特性を持ち、心臓の健康に非常に有益です。また、抗酸化物や食物繊維も含まれています。

第3にピスタチオが挙げられます。ピスタチオにはタンパク質、食物繊維、健康な脂肪、特にルテインやゼアキサンチンなどの高いレベルの抗酸化物が含まれており、特に目に良いとされています。

ピスタチオは高いレベルの抗酸化物が含まれており、特に目に良いとされている(K321 / PIXTA)

 

第4にカシューナッツが挙げられます。カシューナッツの脂肪含有量は比較的低いですが、健康に有益な一価不飽和脂肪酸が含まれています。また、豊富なマグネシウムも含まれており、正常な血圧を維持するのに重要です。

第5にブラジルナッツが挙げられます。ブラジルナッツには豊富なセレンが含まれており、重要な抗酸化物であり、甲状腺機能をサポートします。ただし、カロリーが高いため、適度に摂取する必要があります。

第6にヘーゼルナッツが挙げられます。ヘーゼルナッツには不飽和脂肪酸、食物繊維、抗酸化物が含まれています。ヘーゼルナッツを含む食事は、コレステロールおよびLDLコレステロールの低下だけでなく、内皮機能の改善や動脈粥腫形成の防止にも役立ちます。

ヘーゼルナッツはコレステロールの低下だけでなく、内皮機能の改善や動脈粥腫形成の防止にも役立つ(sarakazu / PIXTA)

 

これらのナッツを混ぜたり交互に摂取したりして、様々な栄養をバランスよく摂取することが効果的です。ただし、個々の体質の違いに応じて適切に摂取する必要があります。

 

注意点

注意すべき点は、ナッツアレルギーのある人は慎重に摂取する必要があることです。また、ナッツにはリンやカリウムが含まれており、腎機能が低下している人は避けましょう。

さらに、ナッツの過剰摂取には注意しましょう。ナッツは脂肪が多く、カロリーが高いため、適切な量を心がける必要があります。たとえば、28グラムのくるみは約185カロリーであり、普段の食事が十分に摂れている場合、これに加えると1年間で4.5キログラム以上の体重増加を引き起こす可能性があり、逆に心臓の健康に悪影響を及ぼします。

Ellen Wan
2007年から大紀元日本版に勤務しており、時事から健康分野まで幅広く携わっている。現在、記者として、新型コロナウイルスやコロナワクチン、コロナ後遺症、栄養学、慢性疾患、生活習慣病などを執筆。
慢性的な精神、行動、身体の病気を対象とした統合医療医。中国医学の医師。精神科認定医。統合医療の楊研究所とアメリカ臨床鍼灸研究所の創設者兼ニューヨーク北部医療センターのCEO。『Integrative Psychiatry(統合精神医学)』、『Medicine Matters(医学の重要性)』、『Integrative Therapies for Cancer(癌の統合療法)』に貢献。また、ハーパーコリンズの『Facing East: Ancient Secrets for Beauty+Health for Modern Age(現代の美と健康のための古代養生法)』とオックスフォード大学出版局の『Clinical Acupuncture and Ancient Chinese Medicine(臨床鍼灸と古代中国医学)』の共著者。