写真は参考写真。F-35AライトニングIIが日本の嘉手納基地に到着した。(出典:アメリカ空軍)

米軍、インド太平洋で新型の超長距離空対空ミサイルを展開

米海軍が、インド太平洋地域に配備した新型の超長距離空対空ミサイルは、中国共産党(中共)の航空戦力の牽制を狙っている。

米軍が採用したAIM-174Bは、最新鋭の超長距離空対空ミサイルで、これまでのミサイルの中で最も長い射程を誇る防空兵器だ。7月にこのミサイルは正式に使用が承認された。

AIM-174Bミサイルは、3つの大きなメリットを持っている。まず、最大飛行距離は未確認だが、250マイル(約400キロ)に及ぶと言われている。次に、レイセオン社のSM-6ミサイルをベースに開発されたため、新規の生産設備を必要とせず、1発あたり約100万ドル(約1億6千万円)のコスト削減が可能だ。そして、オーストラリアの戦闘機システムとの互換性も備えている。

▶ 続きを読む
関連記事
アメリカ海軍は2023年5月25日原子力航空母艦・ジョージ・ワシントンが再配備されることを発表した。6年ぶりの展開であり、当初4年で想定された炉心交換・包括修理などのオーバーホール(RCOH)を2年延長した影響で再配備が遅れた。修理の延長は、造船をめぐって米海軍が抱える問題を示唆している。
2025年8月、中露が合同演習を実施し対潜水艦作戦を強化。米軍も原子力潜水艦を展開し、三国の安全保障リスクが高まっている。
6月初旬、ウクライナによる大規模なドローン攻撃によりロシア国内の空軍基地で複数の航空機が破壊された。アメリカ軍はこれを受け、軍事基地の対ドローン防衛強化に本腰を入れる。
40年以上経った今でも活躍するF-16戦闘機は世界最高の多用途戦闘機の1つとして評価される。将来的には、ステルス機との対戦が課題となるがF-35やF-22戦闘機にはないF-16ならでは能力を持っている。
航空機の戦闘力を評価する際、速度や武装能力だけでなく、出撃生成率(SGR: Sortie Generation Rate)が重要な指標となる。SGRは航空機の運用効率を示し、高いSGRを持つ機体は、より頻繁な出撃と優れたパイロット訓練を可能にするため、総合的な戦闘力を大きく向上させる。