暗黒彗星:小惑星とも彗星とも異なる謎の天体、その正体に迫る(NASA/ヨーロッパ南天天文台)

天文学者、謎の天体を次々と発見―「暗黒彗星」

「暗黒彗星(Dark Comet)」とは、小惑星のような見た目をしているものの、彗星のように宇宙空間を移動する謎の多い天体です。2021年に初めてその存在が確認されて以来、次々と発見されており、この奇妙な天体の正体を解明する手掛かりとなるかもしれません。

アメリカ航空宇宙局(NASA)によると、暗黒彗星は小惑星のような外観を持ちながらも、彗星のような動きを示す特殊な天体です。2023年までに計7つが発見されていましたが、研究者が発表した最新の研究レポートによれば、新たに7つの暗黒彗星が発見され、既知の暗黒彗星の数が倍増したと報告されています。

研究者たちは、暗黒彗星を2つの異なる集団に分類できるとしています。直径が大きい暗黒彗星は外太陽系に、小さい暗黒彗星は内太陽系に存在することが分かりました。

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