星間彗星3I/ATLASが一般相対性理論で説明できない軌道を示し、学術界に激震が走っている。NASAなどの最新観測で、3I/ATLASの挙動が従来の彗星モデルを大きく逸脱していることが判明。著名科学者が「人工的起源」の可能性を指摘し、世界中で議論が沸騰している。
相対論で説明できない軌跡 科学界に衝撃
星間彗星3I/ATLASは10月29日に近日点へ到達し、科学界と一般の注目を集めた。最新の観測結果によれば、この彗星の実際の軌道はアインシュタインの一般相対性理論による予測から大きく逸脱していることが明らかになった。この「基礎物理学への挑戦」ともいえる発見に加えて、近日点通過後に現れた神秘的な青い輝きが、ハーバード大学のアヴィ・ローブ(Avi Loeb)教授の「人工的起源を持つ可能性」という主張を改めて注目させている。
重力だけでは説明できない軌道
米航空宇宙局(NASA)のジェット推進研究所(JPL)の航法エンジニア、ダヴィデ・ファルノッキア氏は10月末、3I/ATLASが近日点通過時に「非重力加速度」を示したことを報告した。
ローブ教授はこのデータを分析し、3I/ATLASの軌跡が従来の彗星モデルでは説明できない範囲に達していると指摘した。重力レンズ効果の観測では、彗星の位置が理論的予測値から顕著にずれていることも明らかになった。
ローブ教授によれば、この異常な偏差は人工的な制御、または推進システムの存在を示唆しているという。これは、彼が提唱する「地球外偵察機」仮説の核心を成す論点である。
太陽の背後で急激に増光 青く輝く星間彗星
軌道異常に加え、3I/ATLASは近日点の前後で極端な化学的活性を示した。NASAの太陽・地球関係観測衛星(SOHO)の彗星専門家カール・バッタムズ氏および天文学者のチャン・チーチェン氏らが10月末に発表した論文によれば、彗星は太陽の背後に隠れていた期間中、光度が数桁も上昇し、一般的な彗星の変化速度を大きく上回ったという。
研究チームは「データから見て、彗星は太陽よりも明らかに青く見える」と指摘している。この青い輝きは、3I/ATLASが経験した三度目の「色の変化」(赤から緑、そして青へ)にあたり、一酸化炭素やアンモニアなどの揮発性ガスが大量に噴出していることを示唆しているとみられる。塵の反射ではなく、ガス放出が主因であると考えられている。
科学界の見解:厚いCO2外殻による自然現象
このような極端な現象に対し、科学界の主流研究者は「強力な自然起源の説明」を提示しているが、それもまた3I/ATLASの特異性を際立たせる結果となっている。
ベルギー王立宇宙航空研究所のロマン・マジオロ研究員が率いるチームは10月31日、プレプリントサーバー「arXiv」に最新報告を投稿した。
報告によると、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡「JWST」とNASAの全天域分光望遠鏡「SPHEREx」で得られた極端に高いCO2濃度データを解析した結果、チームは初めて数値的に検証して、数十億年に及ぶ星間航行の間に宇宙線の長期照射を受けたことで、厚さ15〜20メートルのCO2外殻が形成されたと結論づけた。
ローブ教授の見解:意図的な「設計」痕跡
これに対しローブ教授は、これらすべての異常現象が「ある明確な意図のもとに設計された結果」であると主張する。
ローブ教授は、軌道の偏差だけでなく、3I/ATLASが太陽系よりも約30億年古いと推定される点、そして厚いCO2外殻を持つ点を挙げ、これらは「外星偵察機」として意図的に設計された可能性を示すものと論じている。
観測によると、3I/ATLASは時速約21万キロ(約13万マイル)という速度で、極めて平坦で直線的な軌道を保ちながら太陽系を通過している。
ローブ教授はまた、彗星の軌道面が太陽系惑星の黄道面とほぼ完全に一致しており、その「偶然」の発生確率はわずか0.2%に過ぎないことを指摘する。この極めて低い確率が、3I/ATLASが最適な飛行経路を選択している証拠であると主張している。
ローブ教授は「3I/ATLASの色変化や物理法則を逸脱する挙動はいずれも特定の目的を持った任務の一環である可能性が高い」と結論づけている。
今後の観測計画
3I/ATLASの本質が自然天体か、人工的な構造物かを解明するため、各国の科学者は今後の観測機会を最大限に活用する意向を示している。
現在、3I/ATLASは再び北半球の夜空にその姿を現し始めており、12月19日に地球へ最接近する見込みである。欧州宇宙機関(ESA)の探査機2機が、彗星が太陽系外へ向かう途につく前に、その長大な尾を通過する(ESAの探査機が、彗星3I/ATLASの放つガスと塵の流れの領域を通り抜ける軌道に位置する)可能性があり、この貴重な機会を利用して星間物質のサンプルを採取する計画が検討されている。
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