「理想的な福祉国家」としてしばしば称賛されるデンマーク。しかし実際に暮らしてみると、その快適な社会の裏に、静かに進行する“排除”の構造が見えてきた(shutterstock)

デンマークに暮らして見えた「もう一つの顔」 快適さの裏にある静かな排他性

この3か月、私はデンマークで生活してきた。本当に大好きだ。街は清潔で、自転車専用レーンは隅々まで整備されており、人々の間には公共への深い信頼が根づき、その空気はアメリカ出身の私にとっては驚きであり、心地よいものだった。 医療は「無料」、大学には奨学金制度があり、多くの市民が「政府は機能している」と感じ——こうした側面から、この国が理想化されるのも無理はなかい。

だが、滞在期間が長くなるにつれて、表面からは見えにくい「綻び」が徐々に目につくようになった。それは、ただの会話の流れや、海外の友人たちの何気ない話の中、あるいはふとした瞬間に感じる微かな違和感として現れた。 多様性や個人主義が社会の根幹にあるアメリカで育った私は、デンマークでの暮らしに安心感をもたらしているこの社会の仕組みが、何かを犠牲にして成り立っているように思えた。

2018年、デンマークは「ゲットー計画(Ghettoplanen)」として知られる法律を導入し、その後「並行社会法(Parallel Society Laws)」と改称した。これらの政策は、住民の過半数が「非西洋系」とされる地域を対象としていた。

▶ 続きを読む
関連記事
日本の潜水艦は隠れる場所がなくなるのか? 最近、中共が発表した量子レーダーおよびAIを利用した潜水艦探知技術は日米の潜水艦やステルス航空機の作戦上の優位性を奪うように聞こえるが、真実はいかに。
嫉妬は社会主義を動かす原動力である。それは一種の精神的な麻薬であり、人々に対して、自分より多くの富を持つ者を憎むよう仕向ける。例えその富の所有者が、嫉妬する者たちに対して何ひとつ害を加えたことがなくても、である。
福建号空母の就役式は、軍高官の欠席や規模縮小、報道の遅延が重なり、習近平の軍権が動揺している現状が浮き彫りとなった。
江崎道朗氏は、米ハドソン研究所が発表したレポートを解説し、中共体制がいずれ崩壊する蓋然性が高いと指摘。その上で、日本やアジア諸民族は「崩壊後」のシナリオを具体的に想定し、米国の戦略に関与していくことの重要性を強く訴えた。
SNSで拡散するのは、私たちを結びつける言葉ではなく、怒りや対立を煽る投稿だ。アルゴリズムは私たちの分断を“ビジネス”にして、私たち自身も知らぬ間にその一部になっている。クリックを追うか、真実を語るか――今、創り手として問われている。