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人気の砂糖代替品が脳卒中のリスク増加と関連

新たな研究によると、シュガーフリーや低カロリー食品に広く使用されている砂糖代替品は、これまで考えられていたほど無害ではない可能性があることが示されました。

2001年に米国食品医薬品局(FDA)によって少量の使用が承認されたエリスリトールは、脳の血管細胞に損傷を与え、脳卒中のリスクを高める可能性があると、コロラド大学の研究者が声明で発表しました。

エリスリトールは主にトウモロコシを発酵させて作られる糖アルコールの一種で、多くの加工食品や飲料に含まれています。

2024年7月14日の声明によると、研究者らは、一般的なシュガーフリードリンクに含まれるのとほぼ同量のエリスリトールで、脳内の血管を構成するヒト細胞を3時間処理した結果、細胞にさまざまな影響が生じたと報告しました。

処理後の細胞は「一酸化窒素の発現が有意に減少」し、本来は血管を拡張・弛緩させる働きが弱まりました。その一方で、血管を収縮させるタンパク質の生成が増加しました。また、エリスリトールで処理された細胞は、炎症反応を引き起こし、組織を老化させるフリーラジカルの生成量も増加したといいます。

同大学の統合生理学教授であり、研究の著者であるクリストファー・デソウザ(Christopher DeSouza)氏は、一般的に安全とされてきた非栄養性甘味料にも健康への悪影響があることを示す他の研究と同様に、今回の発見も警鐘を鳴らすものだと述べました。

『Journal of Applied Physiology』に掲載されたこの研究では、1回分のエリスリトールを使用しており、1日に複数回摂取する人は、さらに悪影響を受ける可能性があると指摘しています。ただし、この研究は実験室でヒト細胞を使って行われたものであり、実際の人を対象とした大規模な臨床研究が今後必要だとも述べています。

デソウザ氏は、消費者に対してエリスリトールを含む製品に注意し、製品ラベルを確認するよう呼びかけました。こうした甘味料を含む市販製品には、Truvia、スプレンダ、ビタミンウォーター ゼロ、Gatorade G2 Natural などがあり、ケトジェニックダイエット向けの商品にも多く含まれています。

2023年、FDAはエリスリトールを「比較的新しい食品成分」と位置付け、数種類のキノコなどの天然食品にも自然に含まれているとしています。エリスリトールは1990年から甘味料として使われており、日本、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、ブラジル、メキシコでも承認されています。

今回のコロラド大学の研究は、甘味料と心血管の健康リスクとの関連性を示した初めての研究ではありません。

2023年3月に米国国立衛生研究所(NIH)が発表した論文でも、エリスリトールの血中濃度が高いと、心臓発作や脳卒中のリスクが増加する可能性があるとし、さらなる研究の必要性が指摘されています。

また、2024年8月のクリーブランドクリニックの研究では、エリスリトールの摂取が心臓発作や脳卒中のリスクと関連していることが確認されました。研究では、10人に30gのエリスリトールを含む水を、別の10人には30gの砂糖を含む水を摂取させるという方法がとられました。

「エリスリトールは血小板(血液細胞の一種)をより活性化させ、血栓リスクを高める可能性があります。グルコースにはこの効果は見られませんでした」と研究チームは報告しています。

(翻訳編集 日比野真吾)

ニューヨークを拠点とするエポック タイムズの速報記者。