天文学者がハワイのケック天文台で、史上最も強力な爆発現象を発見しました。上図はブラックホールのイメージ図です。(Shutterstock)

宇宙史上最大級の爆発現象「銀河核極限突発現象」を発見

アメリカ・ハワイにあるケック天文台で観測されたデータにより、天文学者たちは宇宙誕生以来、これまでに知られている中で最も大きなエネルギーを持つ爆発現象を発見しました。

ケック天文台が6月4日に発表したニュースリリースによると、天文学者たちはこの新たな現象を「銀河核極限突発現象(ENT)」と名付けました。これらの異常な現象は、超大質量ブラックホールが、あまりに近づきすぎた大質量恒星(太陽の質量の3倍以上)を引き裂くことで発生します。この際に巨大なエネルギーが放出され、遠く離れた地点からでも確認できるといいます。

この研究を主導したハワイ大学天文学研究所の博士課程学生、ジェイソン・ヒンクル氏によると、過去十数年にわたり、恒星が潮汐破壊現象(tidal disruption event)によって引き裂かれる様子は観測されてきましたが、銀河核極限突発現象はこれまでにない現象であり、その明るさは通常観測されるものの約10倍にもなると述べています。

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