2025年7月6日、中国の北京首都国際空港で警備員が乗客を案内している。(Wang Zhao/AFP via Getty Images)

出国禁止の波 中国に拘束される外国人幹部

中国共産党(中共)は、特定の外国人に対して中国からの出国を禁じている。この政策は法的に曖昧であり、移動の自由、国際投資、外交慣例の観点から少なくとも警鐘を鳴らすものだ。だが、その影響はさらに深刻になり得る。

中国では「出国禁止」――特定の人物が国外に出られないようにする措置が、中国人だけでなく外国人に対しても頻繁に適用されている。その理由は「国家安全」に関わるとされるが、定義は極めて曖昧だ。

この制度自体は新しいものではないが、習近平が権力を握った2012年以降に広がりを見せた。特に2018年以降の国家安全関連法の制定・改正に伴い、その適用範囲が拡大した。人権団体セーフガード・ディフェンダーズによると、2016~22年にかけて、最高人民法院のデータベースにおける「出国禁止」の言及件数は8倍に増えたという。

▶ 続きを読む
関連記事
中共当局による突然の公演中止にもかかわらず、浜崎あゆみは無観客の上海会場でフルステージを完遂。毅然とした姿勢が中国内外で称賛を集め、政治的圧力を上回る“完勝”を果たした
三年もの間、民の課役をゆるし倹約を貫いた仁徳帝。民の竈の煙に安らぎを見いだしたその御心は、豊かさの本質を問い直す今の日本にも静かに響いている
中国で利益を得られるのは「一時的」。技術を奪われ、市場は最終的に中国企業のものになる。西側企業は今ようやく、この現実に気づき始めた
浜崎あゆみの上海公演が中共の意向で急遽中止。しかし彼女は観客なしで本番同様のライブを完遂し、世界から称賛を集めた。中共は虚偽説明で一時しのぎのごまかしを図るも、浜崎の冷静な対応が評価を高めた
中国共産党軍は日本を恫喝するも、その実態は装備・組織面で脆弱。日中が衝突すれば、中国側の実力不足が露わとなり、宣伝とは逆に軍の限界が明確にされる状況にある​