(左)大人用おしゃぶりを使用する女性。(右)月間販売数1,000個を突破した大人用おしゃぶり(スクリーンショット)
仕事のプレッシャーや不眠、口寂しさ…若者の心を映す「退行消費」

大人が「安らぎ」を求める時代 中国で大人用おしゃぶりが異例の人気

中国の若者の間で「大人用おしゃぶり」が異例の売れ行きを見せている。職場の不安や睡眠障害、口寂しさを理由に利用する人が急増し、通販サイトでは関連商品がランキング上位に並ぶ事態となっている。

SNS上には、大人がおしゃぶりをくわえてパソコン作業や就寝する動画があふれ、再生数はすでに2億回を超えた。27歳の女性は「仕事のストレスで使うと、まるで赤ん坊のころの安心感に戻れる」と体験を語り、ほかにも「不安や不眠のときに安らぎを得られる」「食欲抑制や禁煙に役立つ」といった声が投稿されている。

通販サイトでは10~80元(数百円~千円余り)の一般品から、キャラクター付きの高額商品まで幅広く売られ、月7千点以上を売り上げる店もあるという。中には「ストレス解消」「安眠効果」「禁煙サポート」「ダイエット効果」などをうたう商品も目立ち、値段は500元(約1万円)近い高級品まである。

▶ 続きを読む
関連記事
中国経済悪化の中、若者たちは失業や収入減、生活苦に直面している。駅で野宿する人も多く、就職も困難。中国共産党発表とは対照的に、現場の実態はより深刻だと語られる
中共政府の注意喚起後も日本行きフライトは満席が続き、多くの中国人旅行者が通常通り渡航している​
中国の第3四半期直接投資は前期比51%減。多国籍企業の撤退が加速し、経済の先行き不透明感が深刻化している。
現役上将の約4割が軍紀委調査対象となり、軍事法廷への移送が進行。忠誠審査と権力集中が軍内部で加速し、制度的粛清へと展開している。
四中全会を前後し、軍の張又侠派と習近平が台湾方針を巡り激しく対立。大規模粛清が続き、両派の対抗が深まり、軍内権力図も変化している。