張又俠上将が、突如として失脚した。これは、共産独裁体制が最も恐れるのは外部の敵ではなく、「命令に従わない身内」だということを示した。写真は中南海(NOEL CELIS/AFP via Getty Images)

習近平に近づけば近づくほど 身の危険は増す

先週、中国共産党(中共)軍内で現役最高位の将軍、張又俠上将が、突如として失脚した。これは単なる高官失脚の一例にとどまらず、世界に改めて突きつけられた現実でもある。すなわち、共産独裁体制が最も恐れるのは外部の敵ではなく、「命令に従わない身内」だということだ。

共産体制において、軍隊は国家の軍ではなく、党の軍である。さらに正確に言えば、最高指導者個人の軍隊だ。権力の座を揺るぎないものにするための鉄則はただ一つ。軍権を自らの掌中に収め、それを骨の髄まで握りしめ続けることだ。

問題は、独裁者が好んで口にする「絶対的忠誠心」が、最も検証困難な概念だという点にある。今日忠誠を誓う者が、明日には反旗を翻さないと言い切れるのか。今はスローガンを叫んでいても、裏で別の計算をしているのではないか。その結果、独裁者が絶対的忠誠を求めれば求めるほど、心の平穏からは遠ざかり、疑心暗鬼と恐怖は深まっていく。そして最終的に、粛清を繰り返すことになる。

▶ 続きを読む
関連記事
米国防総省がパランティアのAIプラットフォーム「メイブン」を正式な軍のプログラムとして採用した。日本においても、パランティアのシステムが自衛隊や政府機関に導入される可能性は極めて高いとみられる。高い利便性の一方で、パランティアのAIは常に激しい議論の標的となっている
米情報機関の報告で、中共は2027年台湾武力侵攻の計画を持たないことが明らかとなった。習近平は党内粛清、米軍圧力、経済危機など五つの凶兆に直面し、天罰のごとく身動き取れず。台湾海峡は世界経済の要衝である
3月19日、米軍F-35Aがイラン領空でミサイル被弾も中東基地に緊急着陸。ステルス機の赤外線探知脆弱性が露呈。イラン国産ミサイル「ホルダード15」が光電センサーで捕捉か。制空権掌握下での反撃と生還理由を解説
中共政府が拡大を進める監視衛星ネットワークは軍事衝突への利用を前提として設計され、印太平洋地域、世界に重大な課題となっている。これらの情報収集衛星は、日本上空を1時間当たり約6回通過しているという
中共とその外交官たちは皆が知らないかのように振る舞っているが、現在のイラン戦争における弾道ミサイルやドローンによる攻撃作戦を支援・可能にしているのが中共であることは広く認識されている。