もう一度のチャンス

「始まりに戻ってそれを変えることはできませんが、今いる場所から始めて、結末を変えることはできます。」—作者不明

私たちは新しい年の始まりにいます。そしてそれは、もう一度のチャンスでもあります。ここにいるということは、あなたにはまだ時間があるということです。

あのプロジェクトを完成させるためのもう一度のチャンス、大切な人と仲直りするためのもう一度のチャンス、ずっと始めようと思っていた毎日の散歩を始めるためのもう一度のチャンスです。
 

新たな機会

新しい年は、すべてが白紙に戻ることを意味するわけではありません。何もかも一夜にしてリセットされるわけでもありません。習慣が消えることもなければ、後悔が溶けてなくなることもなく、未解決の問題が礼儀正しく脇にどいてくれるわけでもありません。新しい年が与えてくれるのは、物事を新たな視点で見つめ、もう一度やり直す機会です。

時には、もう一度のチャンスは、私たちが待ち望んでいた機会として現れます。新しい仕事、達成すべき目標、あるいは意味のあるつながりを築く機会としてです。また別の時には、それは不快さという形で現れます。向き合うべき課題、しなければならない難しい会話、あるいはすでに乗り越えたと思っていた状況として現れることもあります。
 

もう一度のチャンスに求められるもの

いくつかのチャンスは静かに私たちを待っているものもあれば、状況がうまく整ったときにだけ現れるもの、そして二度と訪れないチャンスもあります。チャンスは貴重であり、そしてしばしば一瞬で過ぎ去ってしまうからこそ、それにどう向き合うかが重要なのです。

  • 謙虚さ:もう一度のチャンスは、私たちに対して、自分が物事に最善の対応が充分にできなかったことを正直に認めるよう求めます。成長は、自分が正しかったと装うことから生まれるのではなく、どこを改善できるのかを認識し、心からより良くなろうと努力することから生まれるのです。
     
  • 感謝:新しい機会に感謝することは、それを最大限に生かす助けになります。それによって私たちはその状況を受け入れ、そこから学び、たとえそれが困難という形で訪れたとしても、善意を持って前に進むことができるのです。
     
  • 振り返り:私たちは自分の経験を見つめ直し、成功と失敗の両方から知恵を引き出し、意味のある変化を生み出すために取るべき行動を見極めるよう求められています。
     
  • 勇気:もう一度のチャンスは、私たちに勇気を求めます。これまで沈黙していたときに声を上げる勇気、引きこもっていたときに手を差し伸べる勇気、そして諦めたくなったときにもう一度挑戦する勇気です。勇気は、成長が必ずしも楽な道のりではないとしても、それが常に努力する価値があることを思い出させてくれます。
     

進んで受け入れる心

人生は私たちに完璧であることを求めてはいません。求めているのは、進んで受け入れることです。進んで学び、成長し、そしてあらゆる困難が、より優しくなり、他者のことをもっと思いやり、自分を重くしている利己心(自分の利益だけを優先する心)を手放す機会だと気づくことです。

もう一度のチャンスは、それを受け入れてこそ価値あるものとなります。現実を拒んだり、古い習慣にしがみついたりしていると、成長の機会は私たちの前を通り過ぎてしまいます。誰も私たちに変わることを強制することはできません。変わろうとする意思は、自分の内側から湧き上がってこなければならないのです。進んで受け入れる心がなければ、どんなに大きなチャンスでも、逃してしまうことがあります。

私たちが進んで受け入れることを求められる最も難しい方法の一つが、許しです。傷つけられたり、屈辱を受けたり、不当な扱いを受けたりすると、それは不可能に感じられるかもしれません。しかし許しは、他のどんな試練とも同じように、開かれた進んで受け入れる心を必要とします。私たちは皆、不完全な存在であり、人生の浮き沈みは人としての経験の一部です。なぜ物事が起こるのか、いつも理解できるとは限りませんが、そこには理由が存在します。それを認識することで、許しは少し容易になります。それは、言われたことやされたことの重みを軽くしてくれるのです。

本当の成長は、手放すことから始まります。許すことから生まれる平和と軽やかさ、そして他者にもう一度のチャンスを与えることは、実は自分自身に与える贈り物なのです。私たち自身もまた、他者から、人生の状況から、創造主から、あるいは宇宙から、これまでに何度もチャンスを与えられてきました。だからこそ、私たちも同じ思いやりを他者に向けるべきなのかもしれません。

許しを超えて、進んで受け入れる心は、人生に対する私たちの向き合い方そのものを形作ります。本能が心を閉ざそうとするときにも、それは私たちを開かれたままにしてくれます。それは抵抗するのではなく、開かれた心で一瞬一瞬を受け止める力を与えてくれます。それは必ずしも心地よさを約束するものではありませんが、人生が与えてくれる機会を最大限に生かす助けになることは約束してくれます。

もしあなたがこれを読んでいるのなら、あなたにはまだチャンスがあります。時間はまだ尽きていません。立ち止まり、振り返り、そして違う選択をする時間がまだあるのです。残された機会を、あなたはどう使いますか。不和、害、後悔をもたらす習慣を選びますか。それとも、思いやり、許し、謙虚さ、そしてより良くなろうとする誠実な意思を選びますか。

もう一度のチャンスは、必ず与えられるものではありません。しかし、私たちは今、それを持っています。今日、それを持っているのです。

それを最大限に生かしましょう。
 
 (翻訳編集 井田千景)