米情報機関が分析「中共は2027年に台湾侵攻計画せず」
米国家情報長官室は3月18日、世界の脅威について2026年の年次報告書を公表した。34ページに及ぶ報告書は、CIAやNSAなど米国の情報機関が取りまとめ、中国共産党による台湾侵攻が米国および世界にもたらす潜在的脅威を明確に示している。
本報告書は、軍事や技術、サイバー、グローバルな影響力などの各分野・領域において、共産党統治下の中国がもたらす脅威について繰り返し言及している。
台湾「国防安全研究院」研究員 沈明室氏:「この報告書は、政治や外交、軍事、さらには経済や科学技術といったあらゆる側面から情報を収集しており、中国の対外拡張が米国に対する脅威となっていることを明示している。そのため、『中国』という言葉が非常に頻繁に登場するキーワードとなっている。これは米国が中国を仮想敵国としたということではなく、中国の脅威を次第に実感するようになった結果、中国を主要な脅威対象として位置付けるようになったということである」
報告書の中で、情報機関は次のように指摘している。「中国共産党の指導部は、現時点で2027年に台湾侵攻を実行する計画はなく、『統一』を実現する明確な時期も設定していない」
「中国共産党の当局者は、台湾への水陸両用での侵攻が極めて困難であり、特に米国が介入した場合、失敗のリスクが高いことを認識している」
これは、2021年以来の米国側の従来の見方からの大きな修正を意味する。当時、インド太平洋軍司令官を務めていたフィリップ・デービッドソン元海軍大将は、中国が2027年までに台湾侵攻の準備を整える意図を持っていると指摘していた。さらに、昨年12月に米国防総省が公表した報告書も、この見方を踏襲していた。
沈明室氏は、情報機関が台湾情勢への予測を修正した理由について、いくつかの要因を挙げた。
沈明室氏:「第一に、新型コロナ後の中国国内の経済状況が深刻に悪化しており、戦争を起こせば国力に大きな打撃を与える可能性がある。第二に、習近平の派閥に属する将校である苗華や何衛東が汚職で調査を受けたこと、さらには張又侠が武力による台湾統一に同意していないことがある。また、将校の汚職問題も深刻で、現在も約30人の上将が空席となっている状況である。第三に、トランプ氏が習近平に対して繰り返し警告を発していることである」
報告書では、中共政権は軍事衝突を回避しつつ、台湾侵攻に向けた条件整備を引き続き模索するとの見方が示されている。
台湾「国防安全研究院」副研究員 謝沛学氏:「全体的なリスクは消えていない。実際、中国軍は軍事計画を継続的に進め、能力を発展させており、命令が下れば武力による統一を実行できるよう備えている。言い換えれば、この報告書が伝えているのは『短期的には侵攻しない』ということであって、『永遠に侵攻しない』という意味ではない」
報告書はまた、中共がロシアやイラン、北朝鮮などと協力し、米国および同盟国に対する脅威を形成していることにも繰り返し言及している。
主な内容として、ロシアや中共、北朝鮮、イラン、パキスタンがミサイル開発を進めており、米国本土に脅威を与えている点、中共とロシアのハッカーが最も持続的かつ活発な脅威となっている点、中共がロシアとの協力を通じて北極地域で戦略的拡張を進めている点、人工知能(AI)分野での競争、さらには軍事近代化の推進などが挙げられている。
謝沛学氏:「北京の目標は、インド太平洋地域を主導し、ワシントンの主導的地位に挑戦することにある。これは、特定の政権の政策選択ではなく、米中間の利益構造に根ざした長期的な対立構造である。また、この報告書は、中ロ、イラン、北朝鮮の四か国間の協力関係には一定の制約があり、主に二国間協力にとどまっていることも示している。現時点では、これら四か国が緊密な対米同盟を形成しているとは言えない」
さらに謝沛学氏は、この報告書では昨年版にあった「中共は米国の利益に対して最も大きな脅威となる行為主体である」といった表現が削除されている点に言及し、トランプ政権が対中認識の表現をやや緩和したことを示していると分析した。
ただし、これは対中政策の大きな転換を意味するものではなく、イラン情勢や米中首脳会談などの要因を考慮した結果であるとした。