中東情勢とエネルギー危機 関係閣僚会議が打ち出した「日本の防衛策」
イラン情勢の緊迫化を背景に、日本がかつてないエネルギー危機に直面している。事態を重く見た政府は、令和8年3月23日に急遽「中東情勢に関する関係閣僚会議」の開催を決定し、情報の集約と国家の命運を懸けた対応に乗り出した。原油輸入の9割超を中東地域に依存する我が国にとって、この事態は決して対岸の火事ではない。国民生活や経済活動を守るため、現在何が起きており、政府はどう対処しようとしているのだろうか。23日に開催された「中東情勢に関する関係閣僚会議」の配布資料から読み解く。
現在、イラン情勢の悪化により中東地域の緊張が極度に高まり、世界の石油輸出の約3割が通過するホルムズ海峡において通航見合わせが発生している。報道によれば、ペルシャ湾内には3千隻以上の船舶が滞留しており、日本関係の船舶も45隻が足止めされている状況だ。さらに、平時は1日約138隻が航行する同海峡の商業船舶航行数が、わずか1隻にまで激減している日もある。日本の原油輸入は9割超を中東に依存しており、その約9割がホルムズ海峡を通じて輸入されているため、この大動脈の機能不全は日本のエネルギー供給体制を根底から揺るがす重大な問題である。
この事態は、国民生活と経済活動に多大な損失をもたらしつつある。実際に、3月16日の時点でガソリンの全国平均価格は1リットル当たり190.8円という歴史的な高騰を見せた。影響は燃料価格の上昇にとどまらない。プラスチックやゴム、電子部品などの原料となる「ナフサ」も、調達先の4割強を中東地域に依存しており、製造業を支えるサプライチェーンへの深刻な打撃が懸念される。さらに、現地での邦人の安全確保も切迫した課題であり、すでに政府手配のチャーター機などにより1160名の退避・出国支援を余儀なくされるなど、多方面への影響が顕在化している。