経産省(pixta)

経済産業省「技術流出対策ガイダンス」の概要と第2版に向けた動向

近年、大国間の競争が激しさを増すなど国際情勢が不安定化する中、我が国の優れた技術を狙う脅威はかつてなく高まっている。ガイダンスでも特に警戒が呼びかけられているのが、国家が主体となって、他国の企業が保有する優れた技術を獲得しようとする動きの加速である。特定の相手国政府が国産化や技術優位性の強化を強く主導している分野では、技術流出リスクが著しく高まる。ここでいう「特定の相手国政府」とは、国家情報法などを通じて企業や個人に情報収集活動への協力を義務付けるなど、国家ぐるみでの技術獲得の動きを強めている中国共産党政権を念頭に置いた表現であると言える。

こうした国家ぐるみの動きを背景に、人材の引き抜き、買収、不正取得といった多様かつ巧妙な手法で技術が狙われている。自社の競争力の源泉となるコア技術が海外に流出してしまうと、他国の急速なキャッチアップを許し、企業にとって大きな経済的損失となるだけでなく、我が国の産業・技術基盤にまで深刻な影響を及ぼしかねない。

政府は外為法等の法令による規制強化にも取り組んでいるが、流出経路が多様化し手法が巧妙化する現状において、すべてのリスクに画一的な規制で対処することは現実的ではない。企業が自らの利益と信頼を守るためには、直面するリスクを直視し、自主的に対策を強化していく必要がある。こうした背景のもと、企業が想定される様々なビジネスシーンに応じた有効な対策を選択できるよう整理されたのが「技術流出対策ガイダンス」である。

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