改正外為法が成立 日本版CFIUS創設へ 対日投資審査を厳格化

2026/05/29
更新: 2026/05/29

海外からの対日投資に対する審査体制を強化する改正外国為替及び外国貿易法(外為法)が29日、参院本会議で可決、成立した。共同通信などが報じた。

今回の法改正は、米国の対米外国投資委員会(CFIUS)を参考に、省庁横断の審査組織「日本版CFIUS」を創設し、重要インフラや基幹技術の流出防止を図ることで、日本の経済安全保障を強化することを目的としている。

背景には、国際情勢の複雑化に伴い、安全保障の対象が経済分野へと急速に拡大している現状がある。政府・与党内では、国の安全を損なう恐れのある対日直接投資に適切に対応する必要性が高まっていた。

日本版CFIUSの創設は、2025年秋の自民党総裁選において高市早苗氏が公約に掲げ、その後、自民党と日本維新の会の連立合意書にも盛り込まれた経緯がある。

政府はその後、制度設計の検討を進め、2026年3月17日に外為法改正案を閣議決定し、特別国会へ提出した。改正法では、対日投資の審査・監視体制が大幅に拡充される。

新設される日本版CFIUSでは、財務省と国家安全保障局(NSS)が共同議長を務め、経済産業省、外務省、防衛省などが参加する省庁横断の審査体制を構築する。投資案件の審査にあたっては、必要に応じて財務相らが関係行政機関に意見を求めることを義務付ける。

また日本企業の株式を保有する海外企業が別の海外企業に買収され、日本企業の議決権などが間接的に保有されるケースも、新たに審査対象に加えられる。具体的には、日本国内に投資する海外企業の株式を50%以上取得した場合が対象となる。

また日経新聞によると、外国政府や国営企業と事実上一体とみなされる日本企業についても、「外国投資家」と位置付け、事前の届け出を求める。

東京新聞によると、過去に外為法違反があった事業者による投資など、安全保障上のリスクが高いと判断された場合には、本来は事前届出の対象外である業種への投資についても報告を求め、審査できる仕組みを新設した。

近年は、原子力や武器といった安全保障上機微な「指定業種」が相次いで追加されており、審査申請は増加傾向にある。

エポックタイムズの記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。他メディアが報道しない重要な情報を伝えます