人権活動家の陳思明さんは、毎年「六四事件」を追悼している。(新唐人)

「六四事件」追悼で 海外でも中共による弾圧の恐怖 亡命者が語る

中国の異議人士である陳思明さんは、長年にわたり「六四事件」の追悼活動を堅持してきたことから、中国共産党当局に繰り返し呼び出され、恣意的な嫌がらせや拘束を受けてきた。

2023年の「六四」前夜、同氏はX(旧ツイッター)上で追悼の投稿を行ったことを理由に、再び当局により15日間拘束された。さらに当局は、投稿を削除しなければ3~5年の実刑判決を科すと脅迫し、加えて精神鑑定に送る可能性にも言及した。

こうした状況に追い込まれた陳氏は、やむなく同年7月22日に中国を脱出。ラオスやタイ、台湾などを経由し、最終的にカナダ政府から政治亡命を認められた。

本日は、「中国民主党国際連盟」事務総長を務める陳思明氏を特別に招き、中国共産党が国内外で同時に展開している厳しい弾圧の実態について語ってもらう。

司会:陳さん、こんにちは。ようこそお越しくださいました。あなたは中国で長年にわたり権利擁護活動を行い、中国共産党の圧力や脅威に直面してこられましたが、最終的に中国を離れる決意をされた要因は何だったのでしょうか。

陳思明さん:長年にわたり、さまざまな公益活動に参加してきました。例えば、民主活動関係者や人権派弁護士が判決を受けた際には、私たちは裁判所の外に集まって傍聴したり支援したり、市民集会を開いたり、政治犯や良心犯のために募金活動を行ったりしてきました。

また、長年ずっと毎年「六四事件」を記念してきました。毎年記念するたびに逮捕されました。逮捕されない場合でも、「旅行」と称して強制的に連れ出されました。いずれも「六四」の前後の時期です。

その後、2023年6月に拘留所から出たあと、当局に呼び出されて事情聴取を受けました。その際、「精神鑑定を受けさせる準備をしている」と言われ、精神科の検査を受けさせると言われました。当時、私は非常に緊張しましたが、「それなら行きます」と答えました。彼らは私を精神病院に収容するつもりだったのです。

董瑶瓊さんの件(習のポスターに墨汁をかけた)については、私は2018年から彼女に注目し、関わってきました。彼女の父親とは親しい友人です。本人にも会ったことがあります。自宅の中ではありませんが、家の外で30分ほど話をしました。

そのとき、彼女は精神病院から出されたばかりで、そこでの恐ろしい状況や、薬を強制的に飲まされたことを話してくれました。それを聞いたとき、私はもう中国に留まることはできないと感じました。なぜなら、もし刑務所に入れられるのであれば、身体へのダメージは回復できる可能性がありますが、薬によって精神に与えられる損傷は、回復不能、あるいは非常に回復が難しいからです。それで私は海外に出る考えを持つようになりました。

司会:あなたのご友人で、同じく反体制派である「華湧」さんが、2022年にカナダのバンクーバーで不可解な死を遂げました。元中共の工作員エリックさんがメディアに提供した証拠によると、「華湧」さんの死には中共による暗殺が関与している可能性があるとされています。この件についてどうお考えでしょうか。また、中共の越境弾圧はどのように行われ、どのような手段があるのでしょうか。

陳思明さん:越境弾圧というのはこういうものです。私はカナダに来てから、実はそれほど恐怖を感じていません。カナダの法と自由民主の政治制度を信じていますし、カナダが私の身の安全を守ってくれると信じています。

しかし彼らは基本的に水面下で動きます。例えば、私がカナダに来たばかりの頃、英語ができなかったため中国人の大家を頼りましたが、事情を知ると、彼らは私に引っ越すよう求めてきました。「陳さん、出て行ってください」と。

実際には私は賃貸契約を結んでおり、1年間は有効で、彼らに対抗することもできました。しかし彼らは中国の広州に不動産や家族があり、私は彼らを困らせたくありませんでした。そこで「困っているなら出て行きます」と言いました。

そしてこう尋ねました。「中国の公安が、国内のあなた方の家族に何か言ってきたのですか?」彼らはうつむいて黙り、微笑むだけで答えませんでした。つまり彼らはカナダにいても、中共による心理的な恐怖の影が常につきまとっているのです。

また、友人を通じて伝言が来ることもありました。「陳さん、カナダに行ったのだから、もういいじゃないか。習近平を名指しで批判するのはやめなさい。華湧さんのように原因不明の死を遂げることになるかもしれない」と。心配するような口調で、公安から伝えられた言葉を伝えてくるのです。

その後、2024年頃にカナダ王立騎馬警察と連絡を取り、2回ほど面談しました。彼らは「脅迫を受けたらすぐに連絡してください。友人が中共から脅されている場合も、名刺を渡すか通報させてください」と言いました。私は彼らの許可を得て、その名刺をネットやツイッターに公開しました。

また、中国語の簡体字で書かれたパンフレットも受け取りました。どのような行為が越境弾圧に該当するのか、どこまでが彼らの業務範囲なのかなどが説明されており、それも写真に撮ってツイッターに投稿しました。それ以降、私に対する嫌がらせはほとんどなくなりました。

もちろん警戒は必要です。中共の越境弾圧は至るところに存在しており、カナダの華人社会やコミュニティの中でも、その影響を感じることができます。

司会:ありがとうございました。インタビューを受けてくださり感謝いたします。また、人権と正義へのご尽力にも敬意を表します。ありがとうございました。

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