2019年8月6日、中国江蘇省南通市の銀行窓口で、中国の銀行員が100元札と100米ドル札を数えている(STR/AFP via Getty Images)

中国人民元国際化の嘘 データが暴く「中露・脱ドル包囲網」の崩壊

解説

制裁や二つの戦争があったにもかかわらず、人民元の国際的地位はむしろ低下している。以前見られた勢いはその大半がロシアとの特殊な関係に依存したものであり、現在はその反動で下落に転じているのだ。

クレムリンは今年、ワシントンとの経済的収束の可能性を秘めた7つの分野を概説するメモを草案した。そこには、ロシアのエネルギー取引におけるドル決済への復帰案が含まれている。メモに記された論理的根拠は、ドル体系への統合がロシアの国際収支と外国為替市場を安定させるというものだ。ロシアは本来、人民元で取引を行うことを望んでいたわけではない。モスクワがそうしたのは、制裁によってドルシステムから排除され、選択肢がなかったからに過ぎない。

▶ 続きを読む
関連記事
トランプ政権が敵対的政権の金融センターを標的に定めたことで、中国に対する米国の「戦略的曖昧さ」の時代は終焉を迎えた
ホルムズ海峡の緊張が続く中、中共当局は封鎖解除を強く求めている。背景には原油の大半を中東に依存する構造があり、米軍の封鎖強化で供給不安が現実味を帯びる。内需低迷も重なり、経済への打撃回避が急務となっている
4月の中国による米国からのエタン輸入量は80万トンに達する見込みで、過去最高を更新する。この数値は通常の平均水準を60%上回る
中国での販売不振を受け、日本第2位の自動車メーカー、本田技研工業は広州と武漢の2つのガソリン車工場を閉鎖し、中国における年間生産能力を72万台に削減する。