令和8年4月27日、高市総理は、総理大臣官邸で令和8年第5回経済財政諮問会議を開催した(出典:首相官邸ウェブサイト)

人口減少・AI時代を見据えた地域インフラ再構築と人材力強化 第5回経済財政諮問会議「議論の要点」

令和8年4月27日、高市総理のもと総理大臣官邸にて第5回経済財政諮問会議が開催された。本会議では、「日本列島を、強く豊かに」という目標の実現に向け、「経済財政一体改革(非社会保障:インフラ整備、地方行財政等)」と「人材力強化(人材育成、労働市場政策)」の2つの柱について集中的な議論が行われた。人口減少やAI(人工知能)の社会実装といった大きな構造的変化に直面する日本が、いかにして地域のレジリエンス(強靱性)と稼ぐ力を高めていくのか。会議での議論と総理の指示内容から、今後の改革の針路を紐解く。

現在の日本は、地方の人口減少(2050年には1万人未満の市町村が4割を超える見通し)、インフラ老朽化の加速、地域経済の担い手不足の深刻化という重大な課題に直面している。また、人材力に目を向けると、AIが得意とする記憶や計算の分野に重点を置いたままの教育システムが残存しており、時代が求める問題設定能力や創造性が十分に育まれていない。さらに労働市場においては、無期やフルタイムといった形で雇用されているにも関わらず、職場で「非正規」と呼称され、不当に賃金が低く抑えられている労働者が数多く存在している。

これらの課題を放置すれば、地域社会や日本経済に深刻な損失をもたらす。インフラ整備において、将来を見据えた優先順位づけや効果的な予防保全を怠れば、激甚化する自然災害に対する地域のレジリエンスは低下する。労働市場においては、フルタイム非正規労働者の構造的な賃金問題を見過ごせば、労働者の意欲低下や経済的格差の固定化を招く。また、AIの急速な普及に対して人材育成が追いつかなければ、戦略分野や地域に不可欠なエッセンシャルワーカー、理数・デジタル系専門人材が決定的に不足し、国全体の「稼ぐ力」やイノベーションの土壌が失われてしまう。

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