重慶鋼鉄経営陣が自社株買い増し 中国鉄鋼業界に迫る「冬の時代」
中国中西部の大手鉄鋼企業の一つ、重慶鋼鉄股份有限公司は6月28日、会長を含む経営幹部7人が自社のA株を買い増すと発表した。市場の信頼回復を狙った措置だが、専門家からは「焼け石に水」にすぎず、同社の巨額赤字の流れを変えるのは難しいとの見方が出ている。中国の鉄鋼業界全体が「冬の時代」に入り、中国経済の基調も悪化するなか、中国共産党(中共)政権の産業政策の影響が表面化しているとの指摘もある。
重慶鋼鉄は6月28日夜、今後の成長性と企業価値を評価したとして、王虎祥会長を含む経営幹部7人が、6月30日から6か月以内に自己資金または自ら調達した資金で、同社A株を買い増すと発表した。投資家の信頼を高める狙いがある。
買い増し額は合計で150万元以上、240万元以下。取得価格の上限や下限は設けない。A株は、中国本土市場で取引される人民元建て株式を指す。
関連記事
中国の農村部にある中小銀行が2025年に670行減少し、1年間で18.6%減った。景気低迷や中小企業の経営悪化、不良債権の増加を背景に、銀行の合併・再編が加速している
中国不動産の販売額上位10社で国有系が9社を占め、民間は浜江集団のみとなった。低金利調達と政策支援を背景に国有系が土地市場も主導し、民間勢は後退している。
中国では7月、景気減速を背景に原油処理量が前年同月比15.8%減、石炭生産も10.1%減少した。発電量は約3年ぶりに前年を下回り、消費と投資の低迷がエネルギー需要を押し下げている。
米外交問題評議会(CFR)のフロマン会長は、中共が過去20年間に築いてきた「輸出主導型」の経済モデルはすでに行き詰まっており、世界的な経済危機を引き起こす可能性が高いと警告した
中国政府は巨額の貿易黒字に伴う人民元高の抑制と通貨の国際化を目的に、海外投資枠(QDII)の拡大やパンダ債市場の開放といった規制緩和を進めている。輸出競争力の維持と基軸通貨化を狙う中国の金融戦略を解説する